東北大学大学院に在籍していた男子学生が自殺したのは、過重な研究や病院での勤務が原因だったとして、遺族が損害賠償を求めた裁判が始まり、大学側は争う姿勢を示しました。

訴えを起こしたのは、東北大学大学院医学系研究科に在籍していた当時29歳の男子学生の遺族です。

訴状によりますと、男子学生は研究や研究室の事務作業のほか、「トランク」と呼ばれる外部病院の勤務で救急などにも従事し、自殺に至る直前1カ月の時間外労働はおよそ193時間にも上っていたということです。

遺族側は、こうした過重な負担が精神的に学生を追い詰め、自殺につながったとして、およそ8500万円の損害賠償を求めています。

8日、仙台地裁では、第一回口頭弁論が開かれ、男子学生の母親は、「息子と真摯に向かい合い、責任をもって育てていこうという気持ちがあったのかと疑問」と述べ、大学が学生の状態を把握し、負担を軽減する義務を果たさなかったと訴えました。

一方、大学側は仙台放送の取材に対し、「係争案件のためコメントは差し控える。主張は裁判の中で明らかにしていく」としています。

次回の裁判は2026年2月10日に開かれる予定です。

仙台放送
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