サッカーJ3テゲバジャーロ宮崎は、J2昇格をかけたプレーオフ準決勝で鹿児島ユナイテッドFCと激突し、2-0で快勝した。いちご宮崎新富サッカー場にはクラブ史上最多となる4389人のサポーターが駆けつけ、「南九州ダービー」と称される熱戦が繰り広げられた。井上の先制点と松本の追加点で、今シーズン公式戦未勝利だった難敵・鹿児島を下し、テゲバジャーロ宮崎は悲願のJ2昇格へ王手をかけた。
クラブ史上最多4389人、J2昇格へ熱気
J2昇格をかけた大一番に、いちご宮崎新富サッカー場は熱気に包まれた。
チケットは完売し、試合開始1時間半前にはスタジアムに入場を待つ長蛇の列ができた。クラブ史上最多となる4389人の観客が駆けつけ、スタジアムは両チームのサポーターで埋め尽くされた。
テゲバジャーロ宮崎のサポーターたちは「とても緊張しているが、選手たちの後押しができるよう頑張って応援します」「絶対勝たないといけない負けられない戦い」と意気込みを語った。
また、「コンビネーションがいつものようにうまくいくことを期待する」「きょうは2−0で勝つ」「テゲバ頑張れ」といった声が聞かれた。ゴール裏はピンクに染まり、熱気に包まれていた。J2昇格へ、高めてきた“攻撃力”で勝利を目指す戦いがいよいよ始まる。
対戦相手の鹿児島ユナイテッドFC。テゲバジャーロは今シーズンのリーグ戦で1敗1引き分けと、未だ勝利を収めていない難敵。大熊裕司監督は、「どんな状況であっても必ず勝って上に行く」と選手たちを送り出した。
宮崎vs鹿児島の激しい攻防
試合は序盤から激しい攻防が展開された。立ち上がり、テゲバジャーロ宮崎は立て続けにピンチを迎える。前半5分、相手のコーナーキック。体を張ってゴールを守り、得点を許さなかった。
すると前半12分、テゲバジャーロ宮崎は自陣でボールを奪うと一気にカウンター攻撃へ転じた。阿野がドリブルで駆け上がり、エリア外から武が強烈なシュート！キーパーにはじかれたものの、攻撃力の高さを見せつけた。
前半終了間際、井上怜が先制ゴール
さらに前半36分、ロングパスが通り再びチャンスが訪れる。クロスに橋本が合わせ、こぼれ球に井上がシュートを放ったが、惜しくもゴールを奪えなかった。
そして前半終了間際、フリーキックからチャンスが生まれた。
ゴール前の混戦から最後は井上怜が押し込んだ。
井上は「阿野が後ろから突っ込んできてボールがどこかにこぼれるなと思ったので、相手がクリアしようとしたところに足を出した。チーム全員の気持ちで押し込んだゴールだったと思う」と振り返った。
3試合ぶりのスタメンとなった井上の先制ゴールで、テゲバジャーロ宮崎が1対0で前半を折り返した。
松本雄真が追加点、2-0で勝利
勢いに乗ったテゲバジャーロ宮崎は、後半18分、得意のカウンター攻撃で魅せた。
下川のクロスに松本雄真が頭で合わせる。
ゴール前に詰めていたディフェンダー松本の今シーズン初ゴールで追加点を奪った。
松本は「自分ができることをやろうと思ってあの位置に走っていた。チームに結果として貢献できればいいと常に思っていたので嬉しかった」と喜びを語った。
攻撃サッカーを貫くテゲバジャーロ宮崎は、守備でも相手の反撃の芽を摘み、鹿児島ユナイテッドFCにゴールを割らせなかった。
チームとサポーターが一つになり、ホームで勝利を挙げたテゲバジャーロ宮崎は、悲願のJ2昇格へ王手をかけた。
監督・選手が次戦への決意表明
試合後、サポーターからは「最高です！」「この勢いでJ2に行ってほしい」など歓喜の声が上がった。
大熊裕司監督は「選手たちはよく集中して泥臭く戦ってくれたと感謝している」と、選手たちを称賛した。サポーターに対しては、「ピッチに立った時に大勢の人がいて感動した。最後、勝利を皆さんと分かち合えたのは感慨深いものがあった。皆さんの期待に応えなければいけないとより強く思った」と、J2昇格への決意を改めて示した。
先制点を挙げた井上怜は「待ち望まれていたゴールだと思うのでほっとしている。今後の人生に関わってくるような試合なので後悔ないように一週間過ごし、チーム全員でしっかり勝ちに行きたい」と決勝への意気込みを語った。
橋本啓吾キャプテンは「なんとしても負けられないというところが、ピッチ上で全員が表現できた試合だった。決勝戦は自分のゴールでチームを勝たせられるように頑張る。J2昇格に向けて全員をそこに導ければと思う」と決意を新たにした。
明治安田Ｊ２昇格プレーオフ２０２５決勝は、12月14日（日）鳥取県のAxisバードスタジアムで午後2時キックオフ。リーグ戦3位のFC大阪と、J2昇格をかけて最後の戦いに挑む。引き分けの場合はリーグ戦年間順位が上位のFC大阪が勝者となるため、テゲバジャーロにとっては、勝つことが必須条件となる。
（テレビ宮崎）
