文部科学省が発表した2024年度の不登校児童・生徒数は35万3970人。12年連続で増え、過去最多となった。そんな中、高校生が不登校の子どもたちを支援するアプリを開発した。きっかけは、自身の“不登校経験”だった。
誰かに話すことの大切さ
不登校の人たちを支援する無料アプリ、名前は「ルミナス」だ。
性別・年齢、原因となっている悩みなどを入力すると、不登校で苦しむ人とかつて不登校を経験し克服した人が交流できる仕組みとなっている。チャット形式で悩みを相談したり、復帰までのノウハウも共有できる。
開発したのは16歳、長崎県内の高校2年生、林洋治さんだ。
国内の不登校児童・生徒数が過去最多を更新し続ける中、洋治さん自身も2025年春、原因不明の体調不良に襲われ、学校に行けない日があった。
「行きたくても行けない日が何日かあって、誰かに話すことが大切だと感じた。アプリを通して悩みを相談して、アドバイスをもらったりして、状況がよくなってほしいという思いで開発した」と、林さんは語る。
相談相手は「不登校の経験者」
林さんは家族の支えもあり、再び高校に通えるようなった。
自身の経験から「理解者・共感者の大切さ」を実感した林さん。
「不登校で苦しむ人を1人でも減らしたい」。独学でアプリ開発の勉強を始め、8月から本格的に取り組んできた。
文部科学省が2025年10月に発表した2024年度の不登校児童・生徒数は全国で35万3970人。12年連続で増え、過去最多となった。割合は26人に1人だ。
長崎県内では過去最多の4113人で、9年連続で増加している。
不登校の子供や保護者のための相談窓口はすでに数多く設けられているが、林さんが相談相手として着目したのは「不登校の経験者」だった。
「どうやって悩みを克服したのか、ノウハウとか過去に経験した人から具体的なアドバイスをもらえる。より近い状況にあった人と話をすることに意味があると思う」と説明する。
孤独に悩む子供たちの心を照らす光に
アプリは、小中学生が気軽に使えるようにと利用は無料。暴力的など不適切な表現はAIがブロックして投稿ができないようにするなどの機能を備え、安心して使えるよう工夫した。
「周りに話せないことも恥ずかしい気持ちもあるので、アプリで気軽に話してほしい」。林さんはこのアプリが不登校で苦しむ人の救いのひとつになってもらいたいと願っている。
アプリの無料提供と運営を続けるための費用は、クラウドファンディングで資金を募り、目標金額を超える資金が集まったという。
将来的には全国の不登校支援団体との連携も視野に、支援の輪を広げていきたいと話す林さん。
「孤独に悩む子供たちの心を照らす光に」」という思いが込められた不登校者支援アプリ「ルミナス」は、年内の運用開始を目指している。
詳細はインスタグラムで発信している。
https://www.instagram.com/luminous_official.app/
(テレビ長崎)
