石川県民アンケート「我が家の定番鍋」で堂々の1位に輝いたのが、石川県民のソウルフード「とり野菜みそ鍋」。この伝統の味がついに!東京の飲食店で味わえるという。この特別な企画を追うため、石川テレビのハブイートアンバサダー、彦摩呂さんと沼本アナウンサーが東京・墨田区まで足を運んだ。

東京で石川の味が味わえる!?驚きの企画

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 「なんで東京まで来てくれたん?いつもなら僕が石川に行って、美味しいもん食べてるのに?」と疑問を投げかける彦摩呂さんに、沼本アナウンサーは自信満々に答える。「石川の食は花の都・東京にまで轟いているんですよ!今回は鍋です!な・べ、なべ!」

彦摩呂さんが「鍋と言っても寄せ鍋やしゃぶしゃぶ、すき焼きなら美味しい店たくさんあるよ?」と返すと、沼本アナウンサーは「きょうは胸を張って言わせてもらいます!今回紹介する鍋、『とり野菜みそ鍋』が世界一です!」と力強く宣言した。

創業の味を守り続ける「まつや」

「とり野菜みそ」は石川県の食卓に欠かせない万能調味料だ。石川で鍋というと、まずはこれを使った料理が浮かぶほど県民に深く根付いている。今回のプロジェクトは、この石川県民のソウルフードを東京でも味わえるようにするキャンペーン。

二人がお邪魔したのは、東京都墨田区にある「美味千成 錦糸町店」だ。店長の定塚三郎さんが鍋の準備を進めてくれる。「さっそく作らせていただきます。こちらのお鍋に味噌がとかれております」手際よく野菜を入れていってくれる。

定塚さんは、「とり野菜みその製造元である『まつや』さんから食材の種類や切り方もレクチャーしてもらいました」と話す。はじめ自分で作って食べたときはちょっと薄いかなと思ったそうだが、まつやさんから直伝してもらった作り方をやってみると、とってもおいしかったんだそう。というわけで、この店で食べられるのは、まつや直伝の鍋なのだ。

そんな大切な鍋を見守るため、この日はなんと「まつや」の代表、佐田啓子社長自らが「鍋奉行」として登場した。

飲食店から始まった「まつや」の歴史

鍋が煮込まれていく間、佐田社長は「とり野菜みそ」誕生の秘話を語ってくれた。

「飲食店経営から始まった『まつや』ですが、創業時にメニューの『目玉』として試行錯誤の上で開発したのが『とり野菜みそ』です。お店で食べて、おいしいし、おうちでも作りたいといわれたのが始まりだったのです」

しかし、現在は石川県でとり野菜みそ鍋を食べられる店がなくなってしまったという。佐田社長は「もう一度"お店の味"を楽しんでいただきたいと考えていたところ、共感してくれるお店が東京にあったんです。」ということで、東京で今回、味わえるイベントを企画したのだそう。 

沼本アナウンサーが「これがまつや創業時のとり野菜鍋を提供していたお店の写真です」と見せたのは、1968年当時の「ドライブインまつや」の写真。彦摩呂さんは「僕、随分若い頃に、亡くなった阿藤快さんとロケに行っているんです。」と懐かしそうに振り返った。「当時は大混雑で車も止められず、ひっきりなしにお客さんが食べに来て。美味しかった覚えがある」と彦摩呂さんは当時を思い出していた。

ついに実食!「とり野菜みそ鍋」の魅力とは

 いよいよとり野菜みそ鍋が完成。

今回の鍋は「鶏・豚ミックス」というアレンジ。これは創業時のお店で「通」の方がよく注文していたメニューだという。

「いい香りが立ち込める味噌の...」と言いながら彦摩呂さんは実食。

「うーん、鶏の奥の奥までこの味噌の味わいがもう染み込んでる。うーん。あとこの白菜が、これがもう、うーん、たまらん」と感嘆の声を上げた。

沼本アナウンサーが「野菜もいっぱいとれますね」と言うと、社長は「そこが、まさにとり野菜みそなんです!」と返した。実は「とり野菜みそ」という名前の「とり」は「鶏肉」ではなく「野菜を取る」という意味からきているのは、石川の人なら良くご存じだろう。

石川から全国へ―年間2000万食の実力

締めに、今回は中華麺!煮込んでいる間、驚きの事実が明かされた。「まつやのとり野菜みそ」の年間製造量は、なんと2000万食分(1000トン)にもなるという。

「それだけ需要があるということは、愛される秘訣があるはずです」という彦摩呂さんの質問に、佐田社長は「『とり野菜みそ』はこれひとつで味が決まり、お好きな具材と合わせるだけでおいしい鍋が作れる手軽さが、石川県の家庭に広く受け入れられたのだと思います。鍋だけでなく調味料としても使えるのでその汎用性の高さが半世紀以上も愛される理由ではないかと思います」と語った。

締めの中華麺を口にした彦摩呂さんは「これもう味噌ラーメンになってるよ!これ味噌が美味しいからなんでもあいますね、これね。うどんも美味しそうだし、雑炊も美味しそうだし、最高」と絶賛した。

「石川県民のソウルフードと言われる『とり野菜みそ』が生まれたお店の味を東京で味わっていただけるのは本当にうれしいです。知っている方には懐かしさ、初めての方にはその魅力を味わってもらいたいです。また家でもつくってみたい!と思っていただければ最高です」と佐田社長は笑顔で語った。

キャンペーン開催店舗は、グルメサイト「ぐるなび」と「まつや」による特設サイトに掲載されている。「まつやのとり野菜みそ」は石川県内のスーパー以外にも東京の一部スーパーなどでも購入できるが、彦摩呂さんは「ここでお手本を食べてから、お家で食べてみてください」とおすすめしていた。

石川の誇る「とり野菜みそ」。これからも多くの人に愛され続けることだろう。

(石川テレビ)

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