石川テレビで始まった「食べるをつなぐ。HUBEAT」キャンペーン。タレントで美食グルメリポーターの彦摩呂さんをアンバサダーに展開していく。その中で新たに始まったのが「ごちそうのありか」石川が誇る食材を掘り起こし、その魅力や生産者の思いを伝えるとともに実際にその食材を一流の料理人に調理してもらうもの。初回は、稲垣アナウンサーが能登に食材を探しに出かけ発見した、特大の「能登うなぎプレミアム」を紹介する。

『ごちそうのありか』を探して能登へ

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稲垣真一アナウンサー:
波静かな夏の日本海、志賀町西海千ノ浦に来ています。実はこちらで、ある魚の養殖が行われているんです。それがこちら名前は能登うなぎ。今回の食材はこのうなぎです。

石川県で唯一、うなぎの養殖を行っている養殖場。フィリピン生まれのビカーラ種を9年前から「能登うなぎ」のブランド名で育てているのは、荒井道雄さんだ。

能登うなぎを育てる荒井道雄さん
能登うなぎを育てる荒井道雄さん

能登半島地震の影響で、3000匹いたうなぎは、わずか500匹に。番組では幼魚の育成を再開した今年2月にお邪魔していたが、いまの成長具合をみせてもらうと…水槽にたくさんのウナギが戻ってきていた。

荒井さんは「1月に入れた幼魚を選別しまして大きくなったものを下にずらしま
した。大きいもので35センチから40センチいってます。」と嬉しそうだ。

能登半島地震から1年半、現状を聞くと、能登うなぎとして、ふるさと納税とかにも出していたが、まだもう少し大きさが足りないと言う。このため、今年の土曜の丑の日、7月19日と31日、2回とも間に合わないそうだ。

肉や皮が分厚い『能登うなぎ』

今まさに成長中の能登うなぎ。ビカーラ種は二ホンウナギと違い肉や皮が厚いのが特徴。ただ、普通に育てると臭みがあるためここでは生育環境にこだわっているそうだ。

七尾湾のカキ殻を使うことで綺麗な水質環境を実現。

発育状況に合わせて温度調整や水槽を変えるなどしてストレスをなくし、臭みがないウナギに育つのだという。

そんな能登うなぎの中でも、500グラム以上ある大きなものは、能登うなぎプレミアムと名付けている。能登半島地震を生き抜いた、大きく育っていたウナギは、料理人から好評で、去年の内にほとんど売れてしまったのだそうだ。

奇跡のウナギと稲垣アナも呼ぶ、能登うなぎプレミアム。本当に残っていないのか、荒井さんに訪ねると…

荒井さん:
とりあえず、1尾だけは残してあります。

何と!1匹残っているという。見せてもらうことにした。

能登半島地震を生き抜いた奇跡のウナギ

水槽に行ってみると…そこには長さ約85センチ、重さ1.8キロというドデカいウナギが水槽に鎮座していた。

稲垣アナ:
うわーこれは大きいですね。さっきのと全く大きさが違いますね。すごい迫力やー。まさにうなぎ界の横綱大の里やー。彦摩呂さんごめんなさい。使ってしまいました。

この能登うなぎプレミアム。「ごちそうのありか」として、何とかして食べられないものだろうか?荒井さんに聞いてみると…

荒井さん:
金沢の方でかなざわ吟さんという、和食のお店が取り扱っていますので、そちらで食べられると思います。

貴重な能登うなぎプレミアムを食しに金沢へ

金沢で食べられるというのだ!早速、車を走らせ金沢へ。

やってきたのは、金沢市木倉町にある魚の炭焼きを中心に提供している「かなざわ吟」料理人の北野さん。能登うなぎプレミアムの魅力について「皮のパリッとした仕上がりになるのと身の厚さによるうまみ。あと臭みの無さ。」だと語ってくれた。

そんな能登うなぎプレミアムを頂くことにした。北野さんのオススメは「白焼き」そこに、今回は夏らしくトマトだしのジュレを添えて提供してくれるのだという。

かなざわ吟では、能登うなぎをさばいた後冷凍し、味を熟成させてから使っているそうだ。

火力が強い備長炭を使い、高温でパリッと10分間焼いていく。

地震と豪雨から復活の輪島のフルーツトマトをジュレに

続いては、トマトだしのジュレ。トマトは地震と豪雨から復活した輪島市上田農園のフルーツトマト。ミキサーにトマトと、珠洲の塩を入れてまぜあわせ。これに、魚醤のいしるとゼラチンを入れ冷やし固めれば、トマトだしのジュレが完成だ。爽やかで夏にぴったりの一品だ。

「能登うなぎプレミアムの白焼きトマトだしのジュレを添えて」キラキラと輝いていて、稲垣アナ思わず…「彦摩呂さんごめんなさい。宝石箱のようですよね。」

ジュレを乗せても『パリパリ』が続く

まずは白焼き。

皮がきらきらしている。そして分厚い皮。食べて見ると…

稲垣アナ:
今聞こえました。皮のパリパリパリという音。普通のウナギでは、絶対に聞こえない音ですよね。

これこそが皮のうまさを生かした、そのおいしさを知り尽くしたこの店だからこその焼き方だ。

そこにふわふわで脂がのった身があわさり、至福の時を迎える。

北野さんは「臭みがないところが、このうまみをダイレクトに伝えられる理由の一番になっていると思います。」と胸を張る。

ここに先ほどのトマトだしのジュレを合わせてみる。

稲垣アナ:
初体験すぎる。あーすごい。ジュレがものすごい上にからむ。キラキラしているぞ。いただきます。

口の中にウナギの旨さと共にトマトの爽やかな酸味が広がり、その酸味を引き立てるだしが効く。北野さんは、夏場は暑いので、酸味を足したいなと思って得たアイデアなんだろう。

そしてジュレをつけたにもかかわらずパリパリ感が残っている食感が、このうまさをさらに引き出している。なぜこうもパリパリ感が残っているのか。北野さんに聞いてみた。

北野さん:
この能登うなぎは、皮が2層になっているんです。他の二ホンウナギと比べると厚さ。これはプラスにもマイナスにもなると思うんですけど、しっかり仕込みをして焼き上げれば、時間が経ってもパリパリを維持しているんです。

能登の素材と料理人の腕が作り上げた逸品

まさに能登の素材と料理人の腕が作り上げた逸品だ。

北野さんは、「能登うなぎさんも頑張って復興している最中ですから、応援していきたいと思っていますし、いち早い復興といろんな方に食べれる環境というのを僕は待ち望んでいますし、それに向けて努力していきたいと思っております。」とエールを送る。

そんな「能登うなぎプレミアムの白焼き~トマトだしのジュレを添えて~」をアンバサダーの彦摩呂さんに食べてもらった。

彦摩呂さんは「この輝くジュレに、この肉厚なウナギ、すごいですね」と絶賛。この肉厚なウナギにジュレをのせて…「加賀百万石や」と彦摩呂さん。

食のアンバサダー「彦摩呂さん」のリポートは?

そして…「入場」

彦摩呂さん:
皮がパリパリ、さすが洋食、フランスのパリや。肉厚のウナギのうまみが爽やかなジュレが引き上げてくれる。カキがらで水をきれいにして…メイドイン能登でしょ?これ食べて能登の復興、幸せも『うなぎ登りやー』

改めて能登うなぎをおさらいする。

能登うなぎは、ストレスの少ない生育環境を作ることで、肉厚で臭みのないうなぎに成長するそうだ。そして、地震で生き残った能登うなぎプレミアム1匹は出荷せず成長を見守るのだと言う。

今回紹介した料理は金沢市木倉町の「炭焼き小料理 かなざわ吟」で8月末まで提供予定。

炭焼き小料理 かなざわ吟
920-0988
石川県金沢市木倉町4-4
050-5488-8434

彦摩呂さんは、「皆さんの「ごちそうのありか」教えて下さいねー」と満足そうだった。

(石川テレビ)

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