科学的に証明できない『霊感商法』で不安をあおり『代理店契約』を結ばせ、金を支払わせたのは違法だとして、女性11人が山鹿市の事業組合に4000万円余りの損害賠償を求めている裁判について、熊本地裁は12月5日に『代理店契約』はいわゆる『マルチ商法』に当たるなどとして、被告の代表に対し3300万円の支払いを命じた。
『霊感商法』で不安あおり代理店契約
この裁判は、40代から60代の女性11人が、整体やカフェなどを営む山鹿市の有限責任事業組合『熊本防災災害まちづくり機構』とその代表に対し、総額4000万円余りの損害賠償を求めているもの。

訴状などによると、11人は代表から「『先祖の因縁を解明するため』などとして、およそ30万円で家系図を作成させられた」と主張。

さらにこのうち9人は「『因縁を断ち切るためには、お金を出して供養するしかない』と科学的根拠に乏しい言葉で不安をあおられ、一口300万円の『代理店契約』を結ばせられたのは違法である」と訴えていた。
代理店契約はマルチ商法に当たる
12月5日の判決で熊本地裁の野々垣隆樹裁判長は被告の代表に対し、「『代理店契約』がいわゆる『マルチ商法』に当たる」として、契約を結んでいた原告9人に3300万円を支払うよう命じた。

一方で、家系図の作成については「『科学的根拠に乏しい言葉で不安をあおられて、意思決定の自由を侵害された』とする原告らの主張を立証する証拠がなく、認定できない」として請求を退けた。

熊本防災災害まちづくり機構被害対策弁護団・原彰宏代表は「金額だけでいえば大部分は勝訴判決。霊感商法を真正面から認めた判決とは言えないからその点は心残り」と述べた。

一方、被告の代表はTKUの取材に、「判決文を確認できていないのでコメントを差し控える」としている。
(テレビ熊本)
