「筋肉は糖をエネルギー源としています。そのためちゃんと筋肉がついている場合は、血液中の糖が筋肉に潤沢に取り込まれるため、血糖値がそれほど上がることはありません。しかし、筋肉量が少ないと、血液中の糖が消費される量が少なくなるため、おのずと血糖値が上がり糖尿病のリスクが高まってしまうのです。太り過ぎもよくありませんが、じつはそれと同じくらい痩せすぎて筋肉が減っている状態も健康にはよくないのです」
前編ではマンジャロの食欲抑制効果だけに頼ったダイエットのデメリットとして、薬を止めると食欲が戻るのでリバウンドしやすくなるという話を聞いた。それに加え、筋肉量が減ると、よけいにリバウンドしやすい体質になってしまうこともあるのだとか。
「筋肉が減ると基礎代謝が下がってしまいます。代謝が下がった状態で今までと同じ量の食事をとると、消費しきれずに余ったエネルギーが脂肪として蓄積されるため、太ってしまうのです。せっかくがんばって痩せてもこれでは意味がありませんよね」
自宅でやりやすい筋トレのやり方
大坂さんは、筋肉量を減らさずに健康的に痩せるためには、バランスの取れた食事に加えて、「筋トレ」が有効だと強調する。
「脂肪を燃焼させるためにはジョギングや水泳などの有酸素運動が有効とされていますが、筋肉の減少を防ぐのには有酸素運動よりも“筋トレ”が有効です。とはいっても腹筋をラクラク10回連続でできる人が、毎日5回腹筋を続けても効果は期待できません。負荷をかけることが筋トレには重要です。腹筋を10回程度連続でできる人は8〜12回 を目標に、できなくなるまで続けてください。
ダイエット中にトレーニングを続けるのはしんどそうに思うかもしれませんが、そんなに時間をかける必要はありません。1週間に40分程度、つまり1日に5〜6分ほどの筋トレを毎日継続すれば筋肉は十分維持できるはずです」
筋トレと聞くと、ジムに通ってダンベルやバーベルを使うイメージが強いが、負荷を掛けることを意識さえすれば、工夫次第で自宅で筋トレを行うことも十分可能だという。
