親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる『赤ちゃんポスト』、そして病院の担当者にのみ身元を明かして出産する『内密出産』について、2025年に新たに受け入れを始めた東京の病院の取り組みをめぐって、熊本市の慈恵病院の蓮田健理事長が12月4日に会見を開き、改めて懸念の声を上げた。

慈恵病院が賛育会病院などへ質問状

2025年3月に東京・賛育会病院が『赤ちゃんポスト』、『内密出産』の取り組みを開始している。

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熊本市の慈恵病院・蓮田健理事長によると、それ以降、慈恵病院には関東圏の女性から「東京の病院で匿名性の撤回や費用負担を求められ、内密出産を断念した」などの相談が相次いだ。これを受け、蓮田理事長は2025年8月に賛育会病院や管轄の行政機関に見解を求める質問状を提出していた。

蓮田理事長が12月4日に公開した文書によると、賛育会病院は「患者関連情報については答えられない」と回答。東京都や墨田区は「賛育会病院は国の内密出産ガイドラインに基づいた対応をしている」とする認識を示した。

また、口頭で回答したというこども家庭庁は「なるべく身元情報を明らかにして出産してほしい趣旨のお願いを実施機関にしている」と述べたという。

蓮田理事長は「実質〈ゼロ回答〉だった」と述べ、「匿名性を撤回させる動きによって(女性は)賛育会病院を去っていく。のちに陣痛が来て救急車を呼んでくれればいいが『出産を隠したい』と自宅で出産して、赤ちゃんを遺棄したり、殺してしまう事件を誘発してしまう恐れがある」と指摘した。

(テレビ熊本)

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