住民:
ちょっと怖いね。気を付けようと言っても気を付けようがないよね。
山陰でもクマによる人身被害です。
12月4日朝、島根県益田市で70代の男性がツキノワグマに襲われ、顔や手にケガをしました。
山陰両県でのクマによる人身被害は今年初めてです。
ツキノワグマに襲われたのは、益田市波田町の70代男性で、4日午前7時15分ごろ、男性が自宅近くでごみ出しをしていたところ、クマに襲われました。
安部大地記者:
男性は、こちらの道路脇でクマに襲われたということです。
周辺には民家や学校もある集落の中心部となっています。
男性は左目の下や右手の甲にケガをしましたが、命に別状はないということです。
男性を襲ったツキノワグマは、体長1メートル、体重70~80キロくらいの成獣とみられ、山のほうへ逃げていったということです。
山陰両県でクマによる人身被害は今年初めてです。
現場付近には至るところに痕跡が…。
安部大地記者:
こちら柿の木です。幹にはクマが引っ掻いた跡でしょうか。傷のようなものもあります。
市は集落に放置された柿がクマを引き寄せた要因とみていて、周辺にある柿の木を伐採しました。
こうした餌と密接に関係しているのが「クマの冬眠の時期」です。
島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科・澤田誠吾科長:
餌が多い豊作のときはずっとエサが食べられるので、十分に脂肪をつけて冬眠に入っていくので、どうしても冬眠がずれる傾向にあるのかなと思います。
島根県の鳥獣対策の担当者によると、「餌が豊作の年は冬眠の時期が遅くなる」といいます。
一般的にクマは11月下旬から冬眠に入るとされていますが、餌が豊作の年は冬眠のギリギリまで栄養を蓄えようとするため、12月に入っても活動的なことが多いといいます。
山陰両県の調査ではクマの餌となるドングリ類が2025年は豊作で、まだまだ気を抜くことができないと警鐘を鳴らします。
島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科・澤田誠吾科長:
12月いっぱいは餌を求めて行動している個体もいるので、雪山登山などクマの生息地内に入る場合は十分注意が必要。
市は、現場周辺に捕獲用の檻を設置したほか、パトロールを強化するなどして住民に注意を呼びかけています。