12月2日から、従来の紙やプラスチック製の健康保険証が原則使えなくなり、マイナ保険証への移行が始まった。福井県内のマイナ保険証利用率は54.7%と全国平均の37.1%を大きく上回っている。
「簡単やな」「思ってたよりは楽」利用者から前向きな声も
これまで使われていた従来の健康保険証は昨日で期限が切れ、今日から医療機関を受診する際はマイナンバーカードに保険証利用登録をした「マイナ保険証」か、マイナンバーカードを持たない人や利用登録していない人に発行された「資格確認書」を使う仕組みへ移行した。

厚生労働省はマイナ保険証を使うメリットとして、病歴や過去に処方された薬などの情報に基づいた医療が受けられることや、手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除されることなどを挙げている。

福井市の県済生会病院では先月、診察券を使わずにマイナ保険証だけで受付ができる機械を導入。マイナ保険証への移行初日は、大きな混乱は見られなかった。
夫と共にマイナ保険証の説明を聞いた人は「教えていただいて、簡単だとわかりました」。別の来院者も「思っていたよりは楽。いろんな部分で連携ができて、薬も薬剤さんがいろんなアドバイスしてくれるので問題はないのかなと思ってます。ただ、お薬手帳は必要なので、いらなくなるといいかな」と語った。

病院関係者は「今までの機械とは違うので、操作方法で戸惑いはあるかと思うが、スタッフが機械に常について操作方法の案内はしているので、特に問題ない」とした上で「高齢者の来院が多く、各病院によっても受付の方法などが違うので、そうあたりが少し統一されると戸惑いも少ないのでは」と指摘した。
福井のマイナ保険証利用率は54.7%
県によると、県内の直近1カ月のマイナ保険証の利用率は54.7%で、全国平均の37.1%を大きく上回った。担当者は「県内ではマイナンバーカードに対する理解が早くから進んでいた。また医療機関などで患者に対しマイナ保険証登録への声かけもあり、全国よりも高い数字になったのではないか」と分析している。
厚生労働省は従来の健康保険証を使えるようにする暫定措置を来年3月末まで取ることにしている。
役所には「暗証番号忘れた」「有効期限が切れていた」相談が増加
一方、行政の現場では、ここ数日「マイナ保険証を登録したいが暗証番号を忘れた」「有効期限が切れていた」といった相談が増えているという。
自営業者らが加入する国民健康保険や後期高齢者医療保険の保険証の有効期限は一足早く7月31日に終了しており、市民の多くには7月には資格確認書が届いていた。

坂井市の担当者は「証明書の有効期限についての問い合わせが多が、資格確認書をすでにお持ちの方が多いので、それが使える事を伝えると、安心した様子でお帰りになられる方が多い」と話した。
厚生労働省は従来の健康保険証を使えるようにする暫定措置を、2026年3月末までとることにしている。

マイナンバーカードが保険証利用登録されているかどうかは、医療機関や薬局、スマホアプリの「マイナポータル」で確認できる。
