2年前、小樽市で虐待を受けた犬が衰弱死して見つかった事件があり、飼い主の家から保護された犬がいた。
その犬は今どうしているのか、取材した。
保護犬の奇跡― 引き取った新たな飼い主
2025年10月、X(旧Twitter)である投稿があった。
「たまたまTwitterで北海道の動物虐待のニュースが目に入る→え!?めちゃくちゃかわいい顔!」(Xの投稿より)
ニュースを見て保護犬を引き取ったという投稿に、8万近い「いいね」が寄せられていた。

そのニュースというのが―
「生後10か月のサリちゃん。当初はかなり痩せていましたが、現在体重は20キロ近くまで増えています。振興局の担当者は『2023年のうちに新しい飼い主を見つけてあげたい』と話しています」(2023年12月放送のuhb「みんテレ」)

「こちらの家で女2人が大型犬を飼っていたということです。近づくとけもののような臭いがします」(2023年10月放送 福岡百記者)
2023年、小樽市内の住宅で劣悪な飼育環境で衰弱死した犬2匹が見つかる事件があった。
サリちゃんはその時保護されたうちの1匹で、北海道の後志総合振興局が新たな飼い主を探していたのだ。

「あの子ですかね。こんにちは」(福岡百記者)
「サリちゃんという名前で(保護先で)面倒を見てもらっていたんですけど、今は名前が「はなちゃん」って言います。はな!こんにちはって言って」(佐藤香織さん)
「ワン!」
2歳になった「サリ」改め「はなちゃん」が立派に挨拶してくれた。

X(旧Twitter)の投稿者、佐藤香織さんは2024年2月にはなちゃんを引き取った。

「ニュースを見てすごく惹かれるものがあった。縁があったのかな。『面会に来てください』ということで会わせてもらったら、寂しそうな不安な顔をしていて、その顔を見たときに、一生責任を持つということの覚悟は決まりました」(佐藤さん)
劣悪な環境下から新たな人生へ
これは佐藤さんと初めて会った時のはなちゃん。
はなちゃんは、最初は不安からか人の姿がなくなると吠えたり物を壊したりしていたというが、徐々に変化が見えてきた。

「性格はすごく来た時よりは明るくなった。忘れたかのように1匹でもお腹を出して寝ている」(佐藤さん)

人間によって劣悪な環境下で育てられたが、新たな出会いによって人を信頼できるようになったはなちゃん。
佐藤さんが願うのはただ一つ。

「この子にしたら人間に振り回されているところがある。幸せとか不幸とかこの子が考えないぐらいお腹いっぱいで安心して寝られるというのが日常になっているんだったらそれが一番」(佐藤さん)