11月30日、岐阜県多治見市の愛岐道路で土砂崩れが発生しました。12月1日朝から専門家らが現地に入って調査していますが、復旧の目処はたっていません。
多治見市では総雨量が平年よりも少なめだったにも関わらず、なぜ起きたのか。専門家に話を聞きました。
■巨大な岩で道路は塞がれ通れなく…
11月30日午後2時半ごろ、岐阜県多治見市の県道15号、通称「愛岐道路」で土砂崩れが発生しました。
巨大な岩によって道はふさがれ、車が迂回するしかない状態です。斜面に張られていたネットは破れ、落石防止のためのフェンスもなぎ倒されていました。

この土砂崩れに巻き込まれた車はなく、ケガ人もいませんでした。
通ろうとした人:
「その時に通っていたら、当然命は危なかったので、何が起きてもおかしくないというか、怖いなというのはあります」
■雨も少なめだったのになぜ?専門家が指摘した「ある可能性」とは
一夜明けた12月1日、岐阜県の職員が、専門家らとともに被害の規模や原因について調査しました。ドローンを使い、崩れた山の斜面の状況も調べます。

多治見市では、30日までの1週間の総雨量が9.5ミリと平年よりも少なめでした。一体、なぜ土砂崩れが起きたのか、専門家は“ある可能性”を指摘します。
群馬大学大学院理工学部の若井明彦教授:
「おそらく岩盤の中で風化が長い間に進んで、あるいは亀裂がどんどん進展したりして、最終的に斜面が安定して保てなくなった時間をたまたま迎えた」

現場は愛知県と岐阜県の県境に近く、周囲を山に囲われ、すぐそばを川が流れていて、迂回路も限られています。仕事でこの道路を利用している人は…。
清掃用品の業者:
「迂回しました。かなり山の方を走ってきて、20分くらい余分に走ったと思います。大変不便です。道も全然分からなくなってしまうものですから」
愛岐道路は、多治見市内の一部区間で現在も通行止めが続いていて、復旧のめどはたっていません。
