全国的に感染が広がっているインフルエンザ。新潟市中央区のクリニックでも患者の数が爆発的に増えているという。この流行の背景にあるのは変異株“サブクレードK”の存在だ。医師は、インフルエンザを契機とした高齢者の二次感染などへの注意を呼びかけている。

昨季より1カ月以上早い“インフル警報”発令

新潟県内では11月23日までの1週間のインフルエンザの定点当たりの報告数が『51.45』となり、国の示す警報基準30を上回った。

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このため、新潟県は警報を発令。昨季に比べて1カ月以上早い発令となった。

新潟市中央区のみらいクリニック南笹口では、午前の診療時間の終了予定時刻を過ぎても診察を待つ患者の姿があった。

岡島正明院長は「インバウンドで海外との行き来が盛んになっている状況だと、どのタイミングで流行が起きておかしくないのではないかと考えている」と話す。

みらいクリニック南笹口 岡島正明 院長
みらいクリニック南笹口 岡島正明 院長

こちらのクリニックを受診したインフルエンザの患者数は11月に入り急増。

11月17日の週は前の週より約90人多い261人、11月24日の週は27日までの3日間で194人に。

岡島院長は「例年に比べて、かなり爆発的に広がっている」と患者数の増加を実感している。この爆発的な流行の背景にあるのが、変異株への感染だと岡島院長は話す。

「今、感染者の9割が新しいサブクレードKというH3N2型の亜型(変異)と言われていて、それに対する免疫をみんなが持っていないせいで流行が広がっている」

懸念されるワクチンの効果は?家庭内でも感染対策を

新たな変異株の流行で懸念されるのは、インフルエンザワクチンの効果だが、「従来の流行株よりは効きが悪いというふうに報告されているが、乳幼児や高齢者の入院(率)を下げるという報告が出ているので、ワクチンは一定の打つ意義はあるのではないか」と岡島院長は分析する。

ワクチン
ワクチン

症状は、発熱・せき・倦怠感・筋肉痛・のどの痛みなど新型コロナとの見分けはつきにくいという。

岡島院長は「家庭内での感染防止はなかなか難しい」とした上で、家庭内でもマスクを着用することやタオルを共有しないことを提案する。

「例えばトイレのあととか、入浴後、少しの間ほかの人は入らない。換気することは感染拡大を防ぐには十分意味があると思う」

高齢者の“二次感染”に注意

一方で、心配されるのはインフルエンザを契機とした高齢者の二次感染だ。

「高齢者に関しては、インフルエンザで体調を崩しているところに、さらに二次感染で他の感染症が合併して重症化するということもある」

岡島院長は、熱が3日~4日と下がらない場合は、もう一度医療機関を受診してほかの感染症について検査するのも選択肢だと話す。

そして、感染予防にはやはりマスクの着用、そして、手洗いが重要だ。

岡島院長は「どこか触ったところについていたウイルスをまた自分の口や目の粘膜につけて感染してしまうということがあるので、手洗いが一番大事なのではないかなと思う」と注意を呼びかけている。

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NST新潟総合テレビ
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