青いリュックの北欧発フードデリバリーが東京に

加熱するフードデリバリー市場に新たに仲間入りするのが、青いリュック。

この記事の画像(15枚)

Wolt Japan・新宅暁さん:
われわれはこのたび、東京への進出を決定した

22日から東京でサービスを開始する、フードデリバリーサービス「Wolt」。

2014年にフィンランドでスタートし、現在23カ国100都市以上で展開しているが、日本でも。

2020年に入って、広島、北海道・札幌、宮城・仙台に進出。
来週、東京・渋谷区を中心とした一部エリアでサービスを開始することが、16日に発表された。

スタート当初は、都内のおよそ150店舗のメニューを頼むことができ、今後、順次エリアを拡大。
取扱店舗も増やしていく予定。

Wolt Japan・新宅暁さん:
これまでフードデリバリーを行っていなかったような、地元で愛される名店に加盟いただいている。
アプリを開けば、1番その街のおいしいお店が見つかる、そんなプラットフォームを目指している

「Wolt」の戦略とは

しかし、すでに同業他社がひしめき合う東京。
それでも、後発として参入する「Wolt」の戦略とは、どのようなものなのか。

Wolt Japan・新宅暁さん:
おもてなしフードデリバリーと説明しているのがポイントかなと思う。
非常に高い質のサービスをお客さまに提供しています

その1つが、カスタマーサポート。
利用者からの問い合わせなどには、スタッフが1分以内にチャットで対応し、解決にあたるという。
このチャットサポートは、顧客だけでなく、配達員と各店舗にも提供。
信頼感や満足度の向上につながるとしている。

また、デリバリーによる自転車事故が問題となる中、配達スタッフには、交通安全順守などの適性テストに合格した人を採用するほか、
独自のアルゴリズムを活用した効率的な配達により、届けるまでの時間を平均30分程度としていて、質の高い配達にもこだわっているとしている。

新型コロナの感染拡大の影響で、フードデリバリー市場は今、まさに戦国時代。

8月には、国内初のデリバリーサービス「Chompy」がローンチ。

そして9月は、ドイツ・ベルリン発祥の「foodpanda」がサービスを開始するなど、新規参入が相次ぎ、競争はますます激化するとみられる。

デリバリー業界で勝ち残っていくポイント

内田嶺衣奈キャスター:
これからのフードデリバリー業界で勝ち残っていくためには、何がポイントになってくるのでしょうか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
新規参入が盛んになると競争が激化するわけなのですが、私は「価格競争」だけではなくて「満足度」をめぐる競争に変わってくる。
ここがポイントになってくると思います。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
具体的には、顧客と飲食店と宅配の配達員。
この「3者の満足度」を高められるかが鍵になると思うのです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
顧客に関しては、どれだけのお店とか商品を揃えられるかが非常に大事なのですが、それ以外にも、スピーディーに正確にデリバリーできるかどうか。
それと手数料、価格がどうか。
この辺が満足度に影響を与えます。

配達員に関しては何よりも、労働条件処遇。
これが一番大事になってきます。

飲食店に関しては、手数料が一番大きいんですけれども、それ以外にも商品の情報と売り上げの情報のアドバイスをもらえるかどうか。
これもトータルの満足度にも影響を与えるので、この3者の満足度をいかに高められるかが、ひとつ競争のポイントになると思います。

内田嶺衣奈キャスター:
フードデリバリー業界で満足度を高めるための試みで、松江さんが一番注目している部分はどんなものでしょうか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
今回の「Wolt」のケースも、これはおもてなしというコンセプトのもとに、
例えばお客さんに対する手数料も、従前であれば商品の一定の割合で商品をベースにして加算していったんですけれども、今回は移動の距離に応じて手数料を変えるという独自のアイデアを持っているとユニークだと思うのです。
こういった満足度というところを競争においては、単なる価格の叩き合いだけではなくて新しい発想を新しいアイディアがより出てくるようになると、健全な業界の発展に寄与するんじゃないかな。
こんなことを期待したいと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
飲食店や配達員にもきめ細かい配慮というのがあるようです。
おもてなしにこだわるフードデリバリーに新鮮さと魅力を感じました。
こうした姿勢は他の業種にとっても参考になりそうです。

(「Live News α」 10月16日放送分)