IAEA(国際原子力機関)の理事会は20日、イランに対して核査察の受け入れや情報提供を求める決議案を賛成多数で採択しました。
決議は、イラン国内にある高濃縮ウランの備蓄が5カ月以上IAEAの査察を受けていないことに深い懸念を示し、イランに対し、高濃縮ウランや核施設に関する情報を速やかにIAEAに提供し、必要な査察を受け入れるよう求めています。
決議はアメリカとイギリス、フランス、ドイツの4カ国が提出したもので、ロイター通信によりますと賛成19カ国、棄権12カ国でした。
中国とロシア、ニジェールの3カ国は反対しました。
これに対しイランのアラグチ外相は、決議によりIAEAとの信頼が損なわれたと批判し、核査察など、IAEAとの協力関係を終了すると明らかにしました。
イランの核開発をめぐっては、イスラエルとアメリカが6月に攻撃した核関連施設への査察をイランが依然として認めておらず、国際社会の懸念が一段と高まっていました。