テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「けあらし」と「寒暖差アレルギー」についてお伝えします。
冬の訪れを告げる幻想的な風景「けあらし」
まず紹介されたのは、海面から湯気が立ち上るような、なんとも幻想的な光景でした。

古山予報士:
こちらは20日朝の日南市南郷町、外浦港(とのうらこう)の様子なんですけれども、冬の風物詩、「けあらし」が見えたそうなんです。
この「けあらし」、一体どのような現象なのでしょうか。古山予報士によると、そのメカニズムは次のようなものです。

古山予報士:
海面水温が、夏の名残でまだ25度近くあるんですけれども、それが湯気のような形となったんですね。今朝の強い冷え込みで、目に見えない水蒸気が冷やされて水滴となって、このような景色となったわけなんです。
つまり、「けあらし」が発生する条件は3つ。
1.晴天:晴れると放射冷却現象が起こりやすくなる
2.気温が低くなる:大気の気温が下がるほど、海面水温との気温差が大きくなる
3.風が穏やか:風が強いと、水蒸気が飛ばされてしまう
この3つの条件が揃うと、暖かい海面から立ち上った水蒸気が、冷たい空気に触れることで急激に冷やされ、私たちの目に見える無数の小さな水滴に変わります。これが、まるで海から湯気が立ち上っているかのように見える「けあらし」の正体なのです。
この日の朝は、宮崎県内の観測地点すべてで今シーズン一番の冷え込みを記録したとのこと。厳しい冷え込みが生んだ、美しい冬の芸術と言えるかもしれません。

さて、この日のように朝晩はぐっと冷え込み、日中は日差しで暖かくなる日は、「寒暖差」が非常に大きくなります。実際にこの日も、美郷町では一日の気温差が17.3℃にもなりました。
その鼻水、風邪じゃないかも?「寒暖差アレルギー」
そんな中、前日から鼻をすすっていた児玉アナに、古山予報士がこんな指摘をします。
古山予報士:
原因はもしかしたら「寒暖差アレルギー」かもしれません。
北九州市・しおもりクリニックの塩盛輝夫院長によると、「寒暖差アレルギー」とは、大きな気温の変化が刺激となって、鼻水やくしゃみ、鼻づまりといった症状が出るものです。症状が風邪とよく似ていますが、見分けるポイントがあるそうです。

1.鼻水
寒暖差アレルギー:水っぽくサラサラ。
風邪:黄色っぽく粘り気がある。
2.熱
寒暖差アレルギー:熱は出ない。
風邪:微熱が出ることが多い。
「私、水っぽくサラサラです」という児玉アナの告白に、スタジオは和やかな笑いに包まれました。急なくしゃみや鼻水に悩まされている方は、風邪薬を飲む前に、寒暖差アレルギーを疑ってみるのもいいかもしれません。
すぐにできる!3つのセルフケア
では、この寒暖差アレルギーにはどう対処すればよいのでしょうか。すぐに実践できる3つのセルフケアを紹介します。

〇3つの「首」を温める
「首」「手首」「足首」には太い血管が通っているため、ここを温めることで効率よく全身を温めることができます。マフラーや手袋、レッグウォーマーなどが活躍しそうですね。
〇ぬるま湯(38〜40℃)に入浴
熱すぎるお湯は避け、ぬるま湯にゆっくり浸かることで自律神経が整い、寒暖差への対応力がアップします。
〇マスクの着用
マスクは、冷たい空気が直接鼻の粘膜を刺激するのを防いでくれます。鼻が寒さを感じ取るのを和らげる効果があるそうです。
古山予報士は、児玉アナに「プレゼントがございます!」と、マフラー、手袋、レッグウォーマーの3点セットのイラストを、サプライズで手渡していました。

21日の週も晴れる日が多く、日中は20度近くまで気温が上がる一方、朝晩は冷え込むため、一日の中での寒暖差が大きい日が続く見込みです。
天気予報は、傘が必要かどうかを知るだけでなく、今回ご紹介した「毛嵐」のような季節のサインや、日々の体調管理に役立つヒントも教えてくれます。ぜひ皆さんも、天気情報に注目して、快適な毎日をお過ごしください。
(テレビ宮崎)
