確定すれば鹿児島県内初の事例です。
鹿児島県霧島市の山中で死んでいた野生のイノシシが豚熱に感染した疑いがあることが分かり、国による確定検査の結果は、このあと午後8時以降に判明する見込みです。
鹿児島県・塩田知事
「陽性と判定されれば本県初となる。野生イノシシの豚熱感染。養豚場への侵入をなんとしても防ぐ必要がある」
19日午前、緊急で開かれた対策会議で危機感をあらわにした塩田知事。
県によりますと、17日午後2時に、霧島市霧島田口で住民が死んでいる野生のイノシシを見つけました。
その後、県が豚熱ウイルスの遺伝子検査を行った結果、陽性が判明し、現在は国による確定検査が行われているということです。
結果はこのあと午後8時以降に判明する見込みで、陽性が確定すれば野生のイノシシでは県内で初めての豚熱の感染事例です。
豚やイノシシの伝染病で強い伝染力と高い致死率が特徴の豚熱。
県内では1985年に旧大口市の農場の豚から発生した以降は確認されていません。
今回、イノシシの死骸が見つかったのは宮崎県との県境で、宮崎側では2025年、野生のイノシシの感染例が相次いでいました。
これまでにイノシシが見つかった地点から半径10キロ圏内にある県内の10農場で異常は見つかっていないということです。
また、会議では県内の養豚場に防護柵の再点検など衛生管理の徹底を呼びかけたことなどが報告されました。
県家畜防疫対策課・藏薗光輝課長
「強い危機感を持って受け止めている。(養豚は)重要な基幹産業。引き続き徹底した防疫対策を行っていく必要がある」
宮崎県での確認を受け、霧島市や曽於市ではイノシシが通る獣道などにワクチン散布などの対策をする中、疑い事例が確認された今回。
親豚と子豚あわせて3300頭近くを飼育している鹿児島県鹿屋市の養豚場の関係者は不安を口にしました。
ふくどめ小牧場・福留俊明代表
「農場に広がらないか心配。農場内に入る車両の消毒やワクチンを打ったりして対策している」
「今まで以上に対策をしていかないと。気を引き締めたい」
県は豚熱は人には感染せず検査が行われているので、豚熱に感染した豚肉が市場に出回ることはないとして冷静な対応を呼びかけています。