2022年に安倍元総理大臣を銃撃して殺害した罪に問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判で、山上被告の妹が証人として出廷し、尋問が始まりました。

山上被告の妹は子供の頃、母親の信仰に反対する祖父に家から追い出されたと語り、「2人で児童養護施設にでも行けばよかった。後悔している」と泣きながら語りました。

また「今まで生い立ちをほとんど話したことはありません。なぜなら、話すと涙が出てきて口に出すのがつらく、つらい思いをなるべく忘れようと生きてきました」と話しました。

また母親が旧統一教会の信仰を始めたころのことについて語り、「受け入れることはできなかった。気持ち悪い」と嫌悪感を示しました。

■母親の信仰「受け入れることはできなかった。気持ち悪い」

法廷で山上被告の妹は、母親が旧統一教会を信仰していたことについて「受け入れることができなかった。気持ち悪かった」と嫌悪感を抱いたことを証言しました。

【山上被告の妹】「母は毎朝、毎晩お祈りをしていた。夜中に縦長の半紙に作った見本みたいなのを見ながら、『日本が韓国に戦争で申し訳ないことをしてすみません』と何度も書いていた」

(Q.そのときどんな感じでしたか?)
【山上被告の妹】「部屋は電気を消していて、ろうそくの明かりだけ。とても不気味だと思った」

【山上被告の妹】「なぜ先祖ばかり大切にするのか、生きている人を大事にしてほしいと言いました。母は、いかに先祖が悪いことをして、財産を持っているのが悪いことかをいっていました」

(Q.それを見てどういう気持ちになりましたか?)
【山上被告の妹】「受け入れることはできなかった。おかしなことをしているというか、気持ち悪い」

■「パフェを食べに行こう」と誘われ教団の関連施設へ

さらに母親に教団の関連施設に連れて行かれたことや、勧誘に誘われたことも証言しました。

(Q.小学校の時の話、母にビデオセンター(=教団の施設)に連れていかれたことがありますか?)
【山上被告の妹】「何回かあったと思います。『パフェを食べに行こう』と誘われて、母が私を誘うことはなかったので、うれしくていったら統一教会でした。だまされて連れて行かれました。

(Q.そこでどういったことをしますか?)
【山上被告の妹】「統一教会の偉い人が話したり、お互いの体をたたき合う。私は会場に入りたくなかったので、ロビーで待っていました」

■勧誘に連れて行かれたことも

(Q.勧誘については?)
【山上被告の妹】「私を家の近所に連れて行って、統一教会の主婦5人くらいが集まっていて、そこに若い主婦を連れて行っていました。その人を勧誘しようとしていました」

(Q.旧統一教会の人と明かしていましたか?)
【山上被告の妹】「主婦が何の集まりか聞いたら、ごまかしていました」

(Q.勧誘について、ほかに覚えていることはありますか?)
【山上被告の妹】「勧誘に関しては、徹也の同級生のお母さんがいつの間にか信者に」

■「2人で児童養護施設にでも行けばよかった」涙を流しながら語った妹

さらに妹は、子供の頃、信仰に反対していた祖父に家から追い出されたときのことについて、「山上被告と2人で児童養護施設にでも行けばよかった」と涙を流しながら語りました。

【山上被告の妹】「(祖父から)『出ていけ』と追い出され、家の隣の駐車場に立っていたことがあった。部活帰りの徹也が帰ってきて家に入ろうとしたとき、おじいさんは『出ていけ』と徹也にも言い、徹也は出ていってしまった。

私と徹也の2人だけでも、あのとき児童養護施設にでも行けばよかったと後悔している」

関西テレビ
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