今シーズン一番の寒さとなった19日朝の列島各地。日中もほとんど気温が上がらず師走並みの寒さとなり各地で雪が降る一方で、空気が乾燥し、火災も発生しています。
18日午後5時40分ごろ、大分市で大規模な火災が発生しました。
激しく上がる炎と黒煙。
屋根が焼け落ち、崩れてしまった家も。
大きな被害を受けた佐賀関漁港周辺は、住宅が密集するエリアです。
狭い道路に火の粉が降り注ぐ中、消防や地元の消防団などが必死の消火作業にあたっていました。
火元の街から1.4kmほど離れた蔦島にも火が燃え移るなど、広い範囲で火事は起きました。
自宅が被害に遭ったという男性は「(自宅は)もう燃えています。火があがるようなところ。火元はまだ離れていた。でもだんだん(火が)近づいて、消防が『避難しろ』って」と話しました。
避難所には、自宅に帰れない多くの人たちが肩を寄せ合っていました。
避難所では「私がテレビを見ていて、何かパチパチパチパチするなと思って、音がするから障子を開けた。そしたら真っ赤になってて、燃えていた。どうなってるか分からなくて心配」「ビックリしたな。これが現実かと思って。心配だな、燃えたら仕方ない。中に火が入ったらもうダメ。中の物みんな焼けてしまう」など不安の声が聞かれました。
18日午後5時40分ごろに大分市の佐賀関で発生した火災。
一夜明けて、被害の大きさが明らかになってきました。
19日午前の大分市佐賀関上空からの映像では、黒く焼け焦げた住宅が広範囲に広がっていることが確認できます。
19日朝も至る所から白い煙が上がっていました。
建物は焼け焦げ、車の窓ガラスがなくなるなど、火の勢いが激しかったことが分かります。
火事は建物170棟以上に延焼、焼けた範囲は約4.9haに及んでいます。
そして正午過ぎ、焼け跡から性別不明の人が心肺停止の状態で見つかり、その後、死亡が確認されました。
18日から連絡が取れなくなっている稲垣清さん(76)の可能性が高いとみて、身元の確認を急いでいます。
多くの住民が一夜を過ごした避難所では、「すごかった。怖かった。あれがうちに来たらどうしようかと。早く帰りたい。早く帰ってちょっと寝たい。寝てないから」「一睡もしてません。みんなしてない人が多いです。みんな椅子に座っていました」などの声が聞かれました。
さらに、火は火災現場から1.4kmほどの距離がある蔦島に燃え移りました。
福岡管区気象台によりますと、大分市には17日午前から強風注意報を発表していて、火災発生時には海の方向から10.9メートルの最大瞬間風速を観測していました。