11月13日、安倍晋三元首相を銃撃し殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の第7回公判が行われました。

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長く伸びた髪を後ろで束ね、眼鏡に黒いシャツ、ベージュ色のズボンで法廷に姿を現した山上被告。
その前で、安倍元総理の妻・昭恵さんが書いた上申書が読み上げられました。

「ただ夫に生きていてほしかった」昭恵さんの心中は

<安部元首相の妻・昭恵さんの上申書より>
医者から説明を聞くうちに駄目だと悟った
夫はおだやかで笑っているように見えた
手を握って「しんちゃん、しんちゃん」と2回呼び掛けた
心臓マッサージをする医者を止めて息を引き取った
なぜ夫はここにいないのかと涙を止めることができません
ただ夫に生きていてほしかった
長生きしてほしかった

上申書が読み上げられる間、山上被告はうつむき加減に視線を落としていました。

山上被告の母親が初出廷…語られたことは

そして午後4時半前、証言台の周囲についたてが設けられ、山上被告の母親がそこに立ちました。

発言が注目される中、証人尋問に先立ち行なわれたのは、山上被告の母親の涙ながらの謝罪でした。

山上被告の母親「安倍元総理、昭恵夫人に心よりおわび申し上げます。安倍元総理を応援していた方々、国民のみなさまにおわび申し上げます。本当に申し訳ございません」

しかし、そこに息子の名前はありませんでした。

そして始まった証人尋問。ここで、衝撃の事実が語られました。

母親が旧統一教会に行った多額の献金によって家庭が崩壊するなどの”宗教被害”があったと供述している山上被告。しかし…、

「まず確認したいが、いま信仰している宗教は?」とこう問われると…、

山上被告の母親「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)です」

「今も旧統一教会の信者だ」と答えたのです。入信のきっかけについては、

山上被告の母親「(入信は)1991年に統一教会の若い女性が家に訪ねてきて、兄の病気の話をしたら姓名判断すると言われた」

さらに、総額1億円を献金した旧統一教会への信仰などについて証言しました。

弁護側「5000万円の元手の金は?」
山上被告の母親「夫の生命保険金です」

弁護側「生命保険金はいくらだったのか?」
母親「6000万円」
弁護側「そのうち5000万円を献金したのか?」
母親「はい」
弁護側「5000万円寄付していいことは?」
母親「私には分からなかったが、そういう目で見ていた人もいるかもしれない」

今回、山上被告の母親は弁護側の証人として出廷しましたが、その狙いについて元大阪地検検事の亀井弁護士は、

元大阪地検検事・亀井正貴弁護士:
子供と家族を捨てて統一教会を優先する母親であるということで、山上被告の怒りはもっともであるということを裁判員に知らしめる。それによって、「これは同情の余地がある」と裁判員に思わせる(狙いがある)ということです。

母親の証言中、目を向けず、ずっとうつむいていたという山上被告。一体、何を思っていたのでしょうか。

11月18日に予定されている次回の公判には、母親に加え山上被告の妹も出廷する見込みです。

(「サン!シャイン」11月14日放送より)