NEXCO中日本は、12カ所のパーキングエリアからゴミ箱を撤去したと明らかにしました。家庭ゴミなどの持ち込みが後を絶たないため「苦渋の対応」ですが、利用者からは賛否の声が上がっています。
■12カ所のPAでゴミ箱を撤去…NEXCO中日本「持ち込みゴミの投棄多い」
東海環状道の岐阜三輪パーキングエリア。トイレの前に、地面の色が変わっているところがあります。ここには、空き缶などを捨てる3つのゴミ箱が並んでいましたが、10月14日に撤去されました。

利用者からは、戸惑いの声が上がっています。
飛騨に向かう大学生:
「おにぎりのゴミを、トイレとかのついでに捨てたかったんですけど。ここにはなかったです」
<NEXCO中日本 名古屋支社 X公式アカウントより>
「トイレのみのパーキングエリアから、ゴミ箱を撤去しました。ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします」

NEXCO中日本は11月7日、Xで東海3県と長野県の一部の12カ所のパーキングエリアからゴミ箱を撤去したと明らかにしました。
持ち込みゴミや不審物の投棄が多発しているためとしていますが、この投稿は閲覧数が2000万を大きく上回る注目を集め、コメントには賛否が…。
<Xのコメント>
「高速道路はお金払うんだから、ゴミ箱くらい置いて良くない?」
「マナーを守らない人が居るから、こうなってしまうんですよね」
「ゴミ箱がないと、そこに置いていく人が増える」
実際、ゴミ箱のない岐阜三輪パーキングエリアでは、缶とペットボトル専用のゴミ箱の横に、持ち込んだとみられるゴミが置かれていました。

利用者ら:
「(ゴミ箱が)あったように思うんですけど。あくまでも高速道路上で発生したゴミに関しては捨てると。途中の一般の道の駅で捨てるとか、そういうことになってしまう」
「この方針ならこの方針に僕は従いますけど。ちょうど入り口にゴミがあって踏んじゃったので、そういう理由だったんだと」
NEXCO中日本の担当者は、マナー違反が改善されず、苦渋の決断だったと理解を求めます。

ネクスコ中日本の担当者:
「家庭ゴミとか、レジャーで発生したゴミが捨てられていたこともあって、持ち込みゴミの投棄が多く、呼びかけで改善されない状況が続いておりましたので、防犯等の観点を踏まえて撤去いたしました。マナーを守ってご利用いただいているお客さまにはご迷惑をおかけすることになるんですけれど、ご理解とご協力をお願いいたします」
■紅葉の名所・香嵐渓 5年前から対策すすめる
ゴミ箱をめぐって頭を悩ませているのは、パーキングエリアだけではありません。
11月1日から「もみじまつり」が始まり、見ごろが近づきつつある紅葉の名所・香嵐渓。

祭りといえば、食べ物も楽しみの1つですが…。
豊田市足助観光協会の担当者:
「ゴミ袋にたくさん入っていたものが置かれていたりしていました。ゴミ箱を撤去してからは、そういうのは見えなくなりました」
香嵐渓の周辺では5年前、ほとんどのごみ箱を撤去しました。自然を楽しむ観光地として、ゴミの持ち帰りを徹底してほしいという思いからで、観光客が集中するもみじまつりの期間に限り、ゴミ箱を設置しています。

豊田市足助観光協会の担当者:
「必要最低限のごみ箱は設置しますけど、マナーの悪い方はどうしても出てくるので、ゴミは持ち帰る、捨てない、食べたところに返却する。きれいな香嵐渓を未来に残すために、私たちができることをする」
地元が負担するゴミ処理の費用は、年間でおよそ300万円。あったほうが便利なゴミ箱ですが、わたしたちのマナーも問われています。

NEXCO中日本がゴミ箱を撤去したのは、東海3県では鞍ヶ池・せと赤津・五斗蒔・岐阜三輪・川島(上りのみ)・多気の6カ所のPAです。
いずれも売店などがないトイレだけのPAで、自販機で買った飲み物の空き缶入れなどはあります。
NEXCO中日本の担当者は、「SAでは撤去しないので、店の買い物を楽しんでほしい」としています。別のSA・PAで買ったものを捨てたい、という人については「基本的には買ったところで食べてほしい」ということです。
