1万人を超えるIGアリーナでのホームゲームで悔しい敗戦
12月27・28日に、「りそなグループ B.LEAGUE 2025-26シーズン」のB1リーグ第17節が行われ、シーホース三河はアルバルク東京と対戦。IGアリーナで初開催のホームゲームは、27日は12901人、27日は13140人の入場者数を記録。大勢のファンが詰めかける中、GAME1は73-82で、GAME2も79-82で三河はA東京に連敗。2025年最後のホームゲームを勝利で飾ることができなかった。
GAME1は1Qに大量のリードを許し、そのままA東京に押し切られた。最後まで粘ったが結果は完敗。修正して臨んだGAME2は、西田優大が「GAME1より良かったと思います。試合の入りからディフェンスはハードにプレッシングすることができましたし、そこからうまくオフェンスにもつなげられました」と話すように、前半をリードして終える。
ターニングポイントとなったのは3Qで、再三のチャンスはあったもものスコアを伸ばせず、10点のビハインドを背負ってしまう。悔やまれるのがペイントエリア内での得点だ。
「個人的には、あのタイミングでペイントアタックができていましたし、あとはそこを決め切るか決め切らないか。決め切っておけばチームを救えたと感じたので。勝たせられるプレイヤーにもっとなれたらなっていうのはすごく感じました」と西田優大は悔やむ。
決め切れなかったのは、A東京の組織力があったから。西田優大は「A東京さんは結構ペイントには入れてくれて、ペイント内のショットは打てるんですけど、そこでシュートをうまく落とさせるというか。ヘルプのタイミングがワンテンポ早かったり、セカンドヘルプのポジションも良かったり…。やっぱり、ペイントエリアを守るのが上手なチームだと感じました。そこをぶち破ってやろうみたいな気持ちがあったんですけど」と振り返る。
この日の西田優大は、8本のシュートを放って2得点。エースとして悔やむのも仕方がない。
「自分が決め切れる選手になることで、ダバンテ(ガードナー)に匹敵するぐらいの脅威になれるはず。やっぱり最終局面、僕だったりダバンテだったりが打開していかないといけない。そういう部分を担っていると思っているので。もっとステップアップしたいと思います」
西田優大「相手の土俵に立ったゲームでも勝っていかないと」
A東京戦で気がかりだったのは、三河のトランジションオフェンスがあまり見られなかったこと。ディフェンスからオフェンスの切り替えを早くすることで、本来マークするべき選手にズレが生まれたスクランブルの状態になる。そういう展開自体が少なかった。
A東京はオフェンスリバウンドを積極的に追っておらず、GAME2ではわずか3本。戻りを早くして、トランジション対策を徹底していた。三河がボールを早く前に運んでもA東京はファウルでゲームを止めて、しっかりとディフェンスの陣形を整えてから守った。攻撃の際も時間をかけて崩そうとする。お互いディフェンスでトラップを仕掛けるシーンもほぼなく、両チーム共にターンオーバーは少なめ。テンポは落ち着いたままで、ハーフコートバスケットを得意とするA東京が望んでいた展開だった。
この点について、西田優大は「それは昨シーズンから思っています。(A東京は)自分たちのペースに引き込みながらプレーするのが上手いチームだなっていうのはすごく感じていて。でも、ここ最近の試合を振り返ってもそうですけど、自分たちの時間帯、自分たちのペースで試合を進められないから負けました、それで済まされないフェーズに僕たちも入ってきているのかなと思うので。相手の土俵に立っても勝っていかないといけない。そういうチームになっていこうとしていますし」と話す。
ハーフコートバスケットが得意なA東京を相手に、三河はがっぷり四つで戦った。そこに三河のプライドと自信が見え隠れするゲームだった。2試合とも三河はアシスト数で負けているように、わずかな完成度の高さがこの結果につながったのかもしれない。
悔しい負けとなってしまったが、IGアリーナでの試合は感慨深かったよう。
「IGアリーナで初めてホームゲームを開催できて…めちゃくちゃ楽しかったですね。試合自体は代表戦に近いような雰囲気というか。それが自分たちのチームでやれるなんて。自分たちがメインだなって感じることができたんで。大きさは違いますが、三河の新アリーナもとても楽しみに思える一節になりました」と西田優大。
来年はスタートからCS出場を争う強豪との連戦、さらに天皇杯とシーズンのターニングポイントになりそうなゲームが続く。今節の悔しさを糧にしてさらなる成長に期待したい。