俳優の仲代達矢さんが亡くなったことが分かりました。92歳でした。仲代さんは、東海テレビのドキュメンタリー映画「名張毒ぶどう酒事件」シリーズでナレーションなどを務め、俳優の立場から元死刑囚の無実を訴え続けました。
■映画「名張毒ぶどう酒事件」シリーズで5作品に参加
2025年1月、東海テレビが制作したドキュメンタリー映画「いもうとの時間」の舞台挨拶をした仲代達矢さん。92才になっても舞台に立ち続けました。
仲代達矢さん(2025年1月4日):
「役者の仲代達矢でございます。今年で92歳になります。まだ引退宣言はしておりません」
仲代さんは、ドキュメンタリー映画「名張毒ぶどう酒事件」シリーズで、ナレーターや俳優として5作品に参加。奥西勝元死刑囚の無実を訴え続けました。

仲代達矢さん(2024年):
「(最初は)十何年前。『喜んでやらせていただきます』と参加して、こっちから頼んで『出させてください』という作品ですね。私にとっては」
2013年に公開した映画「約束 名張毒ぶどう酒事件死刑囚の生涯」では、仲代さんは役者として、奥西死刑囚を演じました。

仲代達矢さん(2015年):
「この話を受けたのは、色んな資料を読ませていただいて、こんなことがあってはいけないという思いで、本当に冤罪だと思って役者として参加したわけですよ。母親から手紙が来ればうれしいし、おせち料理が来ればおいしいし、死刑囚だからってずっと苦しみだけを演じちゃうのは、奥西さんに申し訳ないですよね」
■“生涯役者”の仲代さん「引退したらできなくなるのが嫌で…」
亡くなる直前まで、舞台に立ち続けた仲代さん。91歳の時、インタビューにこう答えていました。
仲代達矢さん:
「若い時より、練習量ですね。90歳過ぎたらだんだん衰えて、訓練・修練を若い時の10倍やらないとできないですから。本当はね、穏やかに引退して、遊びながら最期を迎えたいんですけど」

そして2025年1月、仲代さん、92歳。
仲代達矢さん:
「そろそろ引退だなとは思っておりますが、まだ引退だとは申しません。それというのは、あの芝居があったじゃないか、あの映像があったじゃないか、引退したおかげでそれができなくなるのが嫌で、引退はとどめておりますが、どうぞよろしくお願いいたします」
