富山市中心部の桜橋通りで水道管の腐食による漏水が発生し、市は今月2度にわたる緊急工事を実施した。設置から約60年経過した水道管に穴が開き、市は仕切り弁を設置して対応した。全国的に上下水道管の老朽化が進む中、県内でも耐用年数を超えた配管が2800kmに達しており、更新が急務となっている。

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市中心部で発生した漏水事故

今月5日、富山市中心部桜橋通りの横断歩道で、車道と歩道の境目から水が漏れ出した。富山市上下水道局経営管理課の佐伯光郎主幹によると、「今回漏水した水道排水管は約60年経過しているもの。水道管の腐食が確認された」という。

漏水の原因は上水道管の腐食であった。地下約1メートル30センチに埋設された直径45センチの水道管に1センチほどの穴が開いていた。市は先月30日に漏水を確認し、今月5日から6日にかけて約1日がかりで工事を実施。穴が開いた部分に水が届かないよう仕切り弁を設置したが、その後も水は漏れ続けたため、7日に再度1日かけてもう一つの仕切り弁を設置し、ようやく漏水を止めた。

全国で相次ぐ上下水道管のトラブル

水道管には、比較的浅い位置に設置され生活用水を供給する「上水道管」と、深い場所に設置され汚水を排出する「下水道管」がある。それぞれ損傷によるリスクは異なるが、全国各地で老朽化に伴う問題が相次いでいる。

香川県では先月、高松市の県道で道路から水が溢れ出し、通行止めとなった。これも上水道管の損傷が原因で、設置から50年が経過していた。より深刻なケースとして、今年1月には埼玉県八潮市の交差点で下水管の破損により道路が陥没し、トラックが転落して運転手の男性が死亡する事故も発生している。

県内の老朽管の状況と今後の対策

富山県内の上水道管では耐用年数を超えたものが約2484キロに達し、下水道管については約352キロが耐用年数を超過。下水道管については、富山市で188キロ、高岡市で145キロなど、4市で合計約352キロが更新時期を迎えている。

佐伯主幹は「このように突然老朽管が漏水しだすというのは、これからも起こりうるかもしれないので、しっかりパトロールなどを継続していきたい。老朽管の更新工事も引き続き進めていきたい」と話している。

なお、富山市桜橋通りの水道管は現在も穴が開いた状態だが、市は断水などの恐れはないとして、冬を避け、来年度以降に復旧工事を行う予定だ。

各市町村の下水道管のうち、耐用年数を超えているのは富山市で188キロ、高岡市で145キロなど4市でおよそ352キロとなる。

国の試算によると、令和25年度には全国で21万キロ、全体の40%の水道管が耐用年数を超過するとされており、今後急速に老朽化が進むことから、各自治体に計画的な改築を求めている。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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