元衆議院議員の宮崎謙介さんが自身のSNSに鳥取県へ批判的な投稿をしたことを受け、平井知事は11月9日、鳥取の魅力に気づいてもらおうと宮崎さんを鳥取に招待しました。
県内各地の観光地を巡り、「心変わり」したのでしょうか。
鳥取県・平井知事:
どうも。平井と申します。
元衆院議員・宮崎謙介さん:
宮崎と申します。このたびは、よろしくお願いいたします。
11月9日の水木しげるロード。
平井知事がアテンドするのは、元衆議院議員の宮崎謙介さんです。
妻で同じく元衆議院議員の金子恵美さんとともに家族旅行で鳥取を訪れました。
元衆院議員・宮崎謙介さん:
このたびはですね、私のXへの投稿、言葉足らずなところもあり、また地元の皆さんに対して不快な思いをさせてしまったことはおわび申し上げたいと思います。
まず、謝罪から入ったこの旅行。
事の発端は宮崎さんのSNSでの発信でした。
「鳥取駅前の活気のなさ、インフラ整備がなされてないことから、政治家の力がないことを実感してきたところ」
宮崎さんは11月1日、鳥取県を初めて訪れた感想を自身のXに投稿。
鳥取県を揶揄しているとして批判の声が上がっていました。
“鳥取ディス”発言を受けて平井知事は、11月5日の定例会見で…。
鳥取県・平井知事:
宮崎謙介さんを鳥取にご招待したいと思います。私が案内してもいいです。
ディスりついでにディスカバー(発見)鳥取をしていただきたい。
一枚上手の対応を見せていました。
すると、今度は宮崎さんから「ぜひ勉強させていただきたい」と返事があり、今回の家族旅行が実現しました。
鳥取県・平井知事:
ハプニングでね。ほんとに来ちゃったご夫妻なんです。
元衆院議員・宮崎謙介さん:
お騒がせしまして。
妻・金子恵美さん:
ほんとに来ちゃったんですよ。
元衆院議員・宮崎謙介さん:
きょうは勉強させてもらってます。
宮崎さんは平井知事の案内のもと水木しげるロードを散策、土産物店で買い物も。
元衆院議員・宮崎謙介さん:
こっちLだね。ちょっと失礼して。
妻・金子恵美さん:
着るからね、この人。
元衆院議員・宮崎謙介さん:
着ますよ。
鬼太郎のちゃんちゃんこを購入し、交通費や宿泊費など旅行に必要な費用はすべて宮崎さんの負担です。
元衆議院議員・宮崎謙介さん:
地元の皆様の気持ちを、ある種踏みにじるような投稿をしてしまったところは大変反省すべきところだと思いますし、これからもっともっと鳥取の良さを知っていけたらなというふうに思っている次第です。
鳥取県・平井知事:
この町の活気や人々の温かい心、楽しい観光地としての魅力を感じていただけたように見えました。
もうこれだけご理解いただけたのであれば、今回の一件は”砂に流そう”と思います。
宮崎さんの姿勢に平井知事も理解を示しました。
その後、レンタカーで北栄町の青山剛昌ふるさと館へ。
そして、旅の最後は鳥取砂丘。ラクダと記念撮影です。
ラクダの案内スタッフ:
名前はホーリーちゃん。
元衆議院議員・宮崎謙介さん:
ホーリーちゃん、よろしく。宮崎です。
1日で県内の代表的な観光スポットを巡った宮崎さん。
「ディス」発言から一転、鳥取の魅力を「ディスカバー」することができたのでしょうか。
元衆議院議員・宮崎謙介さん:
完全にディスカバーさせてもらいました。百聞は一見にしかずで感じるものがあったなと思います。鳥取の発展がどうなっていくのかというのを私も一緒に見守っていきたいと思っています。
妻・金子恵美さん:
こうして災い転じてというか、せっかくご縁をいただきましたので、宮崎とともに鳥取県のさらなる発展に何かお手伝いができればという思いも新たにしました。
鳥取へのネガティブな発言をきっかけに魅力発信の協力を取り付ける結果になりました。
ところで今回、この旅行に至るまでの経緯を各メディアが何度も取り上げ、旅行中には行く先々で多くの報道陣が詰めかけました。
単なる元政治家の家族旅行を各メディアが大きな話題として扱うという異常な事態だっととも言えます。
安部大地記者:
批判的な投稿が最終的に鳥取県のPRになるという異例の展開をたどった今回のケース。鳥取県側の戦略に踊らされていたのは我々メディアも同じかもしれません。