大使館も気が抜けない日々

詐欺拠点などから救出要請を行う日本人は、一体どのくらいいるのか。

在カンボジア日本大使館・植野篤志大使:
まだ現在進行中の案件もあるので、申し上げにくいですけれども、私の感覚で言うとですね、(救出要請は)毎週のようにございます。

我々が取材した男性だけでなく、日本人が次々と大使館に助けを求めているという。

在カンボジア日本大使館・植野篤志大使:
大使館の館員も、もう本当にあの24時間土日も休みなしというか気が抜けない日々で。

こうした日本人が後を絶たないもう一つの理由は、日常的に行われている暴力の存在だ。

拠点では、様々な国から集められた人たちが、売り上げノルマを達成できないと、暴行や拷問も受けるケースも報告されている。

国際社会からの強い非難を受け、カンボジア政府は7月から、拠点の一斉摘発を始め、関係者3000人以上を拘束したと発表するなど成果を強調している。

だが、政府や警察と犯罪組織の癒着も指摘されている。

アムネスティ・インターナショナル東南アジア担当 モンセ・フェレール副局長:
警察と詐欺グループがコミュニケーションをとっている可能性が高い。カンボジア政府は長年にわたって、詐欺グループの活動を黙認していた。

日本人関与の拠点いまも

さらに取材を進めると、詐欺グループの新たな動きが見えてきた。

プノンペン中心部にある、詐欺拠点の疑いがある建物。2024年には、多くの部屋に明かりがともり、ベランダで過ごす人や祈りを捧げているような人も見られたが、10月に再び同じ場所を撮影すると…真っ暗で、建物はもぬけの殻になっていた。

さらに、拠点があったとみられる他の複数の場所でも、人の気配がなくなっていた。