女性や子供の帰宅を狙った「通り魔」や「わいせつ事件」
女性や子供を狙った「通り魔」や「わいせつ事件」、愛媛県内でも先月、下校中の女子小学生が体を触られたり、帰宅中の女子中学生が男に声をかけられ、つきまとわれる被害などが起きている。
愛媛県警のまとめによりますと、去年、県内では性犯罪やつきまとい・声掛けなどは481件。被害者の7割以上が18歳未満の子供で、半数近くが“下校中”に被害にあっている。
「暗い道で起きる犯罪」夕暮れで暗くなる”危険な時間帯”
犯罪者心理に詳しい人間環境大学の藤代教授は、加害者は「顔を見られたくない」ため、“暗い道”で犯行に及ぶ傾向があると指摘する。
人間環境大学・総合犯罪心理学科 藤代富広教授:
「自分が攻撃できる、支配できる人ということで、例えば年少者、子供さんですとか、自分よりも体格がきゃしゃである女性が狙われることがデータから伺われる」
日の入りが徐々に早まるこの時季、午後5時すぎにはあたりが暗くなり、下校や帰宅のタイミングがまさに“危険な時間帯”になってしまうのだ。

スマホ操作やイヤホン使用は周囲への注意が薄れる
今、私たちにできる犯罪者から狙われにくくするための『術』とは?
人間環境大学・総合犯罪心理学科 藤代富広教授:
「背後に誰かいないかと集合住宅にお帰りの際、一軒家でもそうですけど今一度後ろ確認いただいたりとか、帰ってきたときにはお家に人がいると加害者に示すために“ただいま”と一言かけていただくとか」
定期的に後ろを確認しながら帰宅するだけでなく、暗い道や死角を通るのはできるだけ避け、1人での帰宅も控えることが大切、と指摘。さらにスマートフォンの操作やイヤホンの使用など、周囲への注意が薄れる行動は避けるべきという。
ただ、犯罪者は全員が“いかにも不審者”という風貌で近づいてくるわけではない。
人間環境大学・総合犯罪心理学科 藤代富広教授
「背中に目があればいいんですけど、なかなか難しいので…」

「やめてください!」襲われたら大声を出す
近づかれ、襲われてしまったときに必要な『術』とは?
県警の逮捕“術”の師範・池内達夫さんに教わった。
県警逮捕術・池内達夫師範
「まず相手が攻撃しようとしたときに、大声を出して走って逃げるということを実際にやってみますので見ていてください」
「待ってください。やめてください。だれか助けてください。110番お願いします」
ここで一番大事なポイントは、相手が攻撃しようとしたら、それをまず『やめてください』と、Noをはっきり言うこと。“大声”は相手をひるませ、同時に周囲に助けを求める合図になるのだ。悲鳴よりも「助けてください」とはっきり言うことで、まわりの人も“何が起きているか”をすぐに理解し、通報や救助につながりやすくなる。
身を守るために必要な「護身術」とは、力任せに対抗することではなくまず安全にその場から逃げるための『術』なのだ。

バッグなどあるもの何でも使って回避するのが「護身術」
大声で助けを求め、それでも逃げられないときには…
曽我部愛麗アナ:
「もしこういうバッグとかを身に着けているときに襲われたときは、こういうものは役に立つんでしょうか」
県警逮捕術・池内師範
「そうですね。あるものはなんでも使って回避するのが護身術になりますので」
持っているカバンを盾にして、掴まれたときは相手の顔に向かって一撃。その衝撃で相手がゆるんだ隙にすぐに走って逃げる。

日頃から危険を察知し「避ける」ために備える意識を
愛媛県警逮捕術・池内師範
「実際には護身術は危険な場所には近寄らない。危険を察知するとか。戦わないことが護身術です。ただ最終的に相手が攻撃してきた場合は、死に物狂いで、火事場の馬鹿力を出してもらうというのが非常に重要になります」
日ごろから危険を想定し、“避ける”ために備える。その小さな意識がいざという時、自分の身を守る大切な『術』になるのだ。

