愛媛県内唯一の馬術部がある北宇和高校

馬とふれあう高校生。
ここは愛媛県内で唯一、馬術部がある北宇和高校。1994年に馬術部が創られ、30年の歴史をつないできた。

「あ~癒される」馬と心通わす活動に惹かれて馬術部へ

授業が終わった放課後、馬術部の活動は馬が生活する馬房の掃除から始まる。
馬の手入れやえさやり、体調の管理など、部員が交代で世話にあたり365日休みはない。

馬の肢を丁寧に拭いているのは2年生の清水莉媛さん。馬と心を通わす活動に惹かれて馬術部入部を決めた。

馬術部・清水莉媛さん
「馬も人間の気持ちが分かる部分があって、自分がここに来て馬房の前に立つと、普段よくかんでくる馬でもめっちゃおとなしくて顔を近づけてきてくれて。あ~癒されるなって」

365日休みなく馬の世話をする
365日休みなく馬の世話をする
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人馬一体で馬の動きの正確さを競う

このあと実際に馬に乗る練習に入る。
馬術競技では人馬一体となって障害物をジャンプしたり、馬の動きの正確さや美しさを競う。

人馬一体で馬術競技に打ち込む
人馬一体で馬術競技に打ち込む

馬術競技では「馬の軸足を替える」高度な技術も

ここで馬術競技の技をひとつ紹介。
馬の前右肢を先に地面につけて踏み込んでいる軸足を、走りながら左肢に切り替える「フライングチェンジ」という技術。馬に足さばきを指示する騎手の腕が必要で、馬と呼吸を合わせる高度な技だ。

北宇和高校馬術部・山中瑞穂監督
「私たちは馬の命を、この手の上に預かっている部活動なので、乗り手が不安な時は馬が助けてくれるという関係を作っていく、それを知る一瞬一瞬の機会を大切にできる人を育てる、ということかなと思います」

馬の軸足を替える「フライングチェンジ」
馬の軸足を替える「フライングチェンジ」

ディープインパクトの子どもも北宇和高校馬術部に

北宇和高校馬術部には活動を共にするサラブレッドやポニーなど9頭の仲間がいる。その馬を飼育する厩舎が今年、新しくなった。中には6月まで高知競馬場で競走馬として走っていた馬や、歴史的名馬、あのディープインパクトの子どもいる。

ディープインパクトの子ども「R・カレラ」
ディープインパクトの子ども「R・カレラ」

馬術部創部以来初のインターハイ団体3位に

こうした仲間との練習で、今年インターハイで創部以来初めて団体で全国3位という成績を残した。

馬術部前部長・松本咲舞さん:
「地域の人もすごく応援してくださって、まわりの人の協力があったからこそできた結果なので、まわりの人にも感謝だし、自分たちがとれた成績でみんなに喜んでもらえてすごくうれしいです」

創部初のインターハイ団体3位に
創部初のインターハイ団体3位に

県内外から14人の部員、地域の支援で10人が寮生活

北宇和高校・馬術部の部員は14人。みんな馬にあこがれて集まってきた。

浅野恭士朗さん:
「将来、競馬の育成をしている牧場で(カット)働きたいと思って」

馬術部を目指して地元以外からの入学希望者が増えたため、地元の鬼北町は先月、2つ目の寮を整備し、現在10人が寮生活を送っている。「地域おこし協力隊」など地域も一体となって、親元を離れた生徒たちの生活を支えているのだ。

14人の部員中10人が寮で生活
14人の部員中10人が寮で生活

卒業後、競走馬を育てる北海道の牧場へ

馬術部の経験を生かして夢を切り拓く生徒がいる。
3年生の浅野さんは卒業後、競走馬を育てる北海道の牧場で働くことが決まった。

浅野恭士朗さん(3年):
「競走馬の調教を主にやらせていただくんですけど、馬も楽しいと思えるような調教をしてがんばっていきたいと思っています」

卒業後は北海道の牧場で競走馬の調教の道へ
卒業後は北海道の牧場で競走馬の調教の道へ

全国大会で上位を目指す選手も

2年生の清水さんは中四国予選を勝ち抜き、12月に開かれる全国大会に出場します。

清水さん:
「去年は10位という結果だったんですけど、少年団の試合で4位以上に入らないと届かないので、そこで4位に入ってJJHで戦いたいなって思います」

12月の全国大会上位を目指す
12月の全国大会上位を目指す

馬術部の青春は「飛笑」馬と過ごす貴重な経験

馬術競技で全国に臨む人、馬と歩む人生へ夢をかける人。
北宇和高校・馬術部で馬と過ごす時間は唯一無二の青春だ。

北宇和高校・馬術の青春は「飛笑」
北宇和高校・馬術の青春は「飛笑」
テレビ愛媛
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