静岡県内では死亡事故が相次いでいて、中でも目立つのが自転車の関連する事故だ。マナーの悪さが指摘されることも多い自転車だが、交通ルールがわかりづらいという声も多い。
自転車の事故は交差点が7割超
10月だけで7件もの交通死亡事故が発生した静岡県内。
中でも自転車が関連した事故は4件と目立っている。
県警察本部によると、2025年8月末までに県内で起きた交通事故は1万584件。
このうち自転車が関連した事故は1719件と全体の16.2%を占めていて、県警交通企画課の堀井泰孝 管理官によれば、自転車事故の7割以上、実に4件に3件が交差点で起きているという。
そして自転車事故の場合、約4割は高校生以下が被害者や加害者となっている。
そこで通学がピークとなる時間帯の交差点の様子を見てみると、交差点の真ん中を減速せずに走っていく自転車や左右の確認をせず大きく右折していく自転車など、たびたび危険な運転が確認された。
堀井管理官は「登校する子供がいるのにも関わらず速いスピードで一時停止をせずに走り抜けたり、並走して歩行者や車両の通行を妨げるケースなどがまだまだ見られる」と自転車による危険な運転の実態を明かす。
交通ルールを改めて確認
ただ、こうしたマナーの悪さは自転車に関する交通ルールがわかりにくいことも一因との指摘もある。
例えば車両用の信号が青で、歩行者用の信号が赤になっている交差点を自転車で横断する場合、どの信号に従うべきかご存知だろうか?
原則は車両と同じ3灯式の信号に従うのが正解だ。
道路交通法では軽車両に位置づけられている自転車。
このため、従うべきは車両用の信号機となり、また、13歳未満や70歳以上などを除いて歩道ではなく車道の左側を走る必要がある。
続いての交差点にも車両用と歩行者用の信号がそれぞれ付いているが、歩行者用信号灯器の左側に“歩行者・自転車専用”という表示板があるため、自転車は歩行者用信号に従った上で、自転車のマークがある自転車横断帯を通らなければならない。
最後に信号機がなく、右手前方にのみ横断歩道がある交差点を奥に向かって渡る場合、横断歩道はあくまでも歩行者が歩く場所であることから、そのまま奥に向かって走るのが正解となる。
ただ、一時停止の標識があるため、停止することなく交差点に進入すればもちろん違反だ。

堀井管理官は「自転車は慣れた道でこそ油断が事故につながる。日常生活で乗る人が多いと思うが一歩間違えれば大きな事故を起こす可能性があり、大きな被害にあうことを常に理解し、安全に慎重な運転を心掛けて欲しい」と改めて注意を促す。
自転車をめぐっては、2026年4月から交通事故につながるような危険な運転に反則金を科す交通反則通告制度、いわゆる青切符が導入されることになっている。
知らずに違反を犯さないためにも改めて自身の運転やルールを見つめ直すことが必要だ。
(テレビ静岡)
