静岡県静岡市にオープンしたバスケットボールパーク。その場所はなんと百貨店の屋上です。なぜここにコートを整備するに至ったのか…背景にはバスケをめぐる、ある課題があります。
10月11日、静岡市中心部にある百貨店の屋上に誕生したバスケットボールパーク・roof。
固定式のゴール2基に加え可動式のゴール4基が備えられていて、手ぶらでも楽しめるようボールやシューズなどのレンタルも行っています。
静岡伊勢丹・秋野孝三 社長:
旧東海道がクランクする札ノ辻という非常に歴史的にも意義がある場所で、にぎわいもある場所なので、やはりここの上に作ると利便性も良くなるし、近くにタワーマンションもいっぱいできているのでそういったところの子供などがどんどん使ってくれるといい
なぜ今バスケットボールパークなのか?
サッカーJ1・清水エスパルスやバスケットボールB2・ベルテックス静岡などが活動の拠点としている静岡市。
難波喬司 市長もスポーツを核とした街の活性化に力を入れたい考えを示しています。
静岡市・難波喬司 市長:
これから静岡はスポーツの力を活用した街づくりを本腰を入れて進めていきたい
ただ、特にバスケットボールに関しては気軽に楽しめるような環境にないのが現状です。
静岡市によると市内にある公園は約500カ所。
このうちバスケットゴールが設置されているのはわずか4カ所だけで、うち3カ所は清水区と偏りが見られます。
また、利用時間にも制限があるほか…
斉藤力公 記者:
こちら清水区の公園にはバスケットゴールが設置されていますが、ネットは破れたままとなっていてコートも特に整備されていません
市には年に数件バスケットゴールの設置を求める要望が寄せられていますが、実現には至っていません。
静岡市公園建設管理課・森智絵 主査:
ドリブルの音など騒音の苦情も多く、近隣住民の理解を得た上で設置しているという状況なのでゴールがある公園の方が珍しい
それどころか公園の利用に関する苦情が年々増加する中、ボールを使った利用を制限する公園も増えていると言います。
静岡市公園建設管理課・森智絵 主査:
スポーツに特化した施設を設けていないので、なかなかバスケットゴールを設置するのが難しい状況
こうした中でオープンした静岡伊勢丹のバスケットボールパーク。
静岡伊勢丹・秋野孝三 社長:
これから学校の部活動もどんどん民間に移されていく中で、実際にやる場がないという話はいっぱい聞こえてきたのでこういうことをやっている
利用できるのは百貨店の営業時間内のみで、屋上という立地から騒音を気にする必要もありません。
利用者男児:
(バスケコートが)とても少ないが、遠くへ行ったらいっぱいあるので以前は遠くに行ってやっていた
女性:
なかなかできる場所、外で自由にできる場所がないのですごくありがたい
利用者男性:
仕事帰りや休みの日に手頃に運動不足が解消できそうなのでとてもうれしい
静岡伊勢丹・秋野孝三 社長:
バスケのリングはあるが、この中でミニサッカーやることもあるだろうし他のことをやることもあると思っているので、スタートしてからいろいろな使い方を模索したい
スポーツを通じて中心街に新たなにぎわいが生まれるのか…今後の展開が注目されています。