「“ちゃん付け”はセクハラになる?」
職場での呼び方を含む一連の発言について、東京地裁がセクハラに認定。
今回の判決について、街の人はどう感じているのでしょうか。
取材しました。
東京地裁「“ちゃん”付けは業務上で用いる必要性は見出しがたい」
男性が女性に対し親しみを込めて呼んでしまうこともある“ちゃん付け”。
10月、東京地裁で行われた裁判で職場での“ちゃん付け”を含む一連の発言がセクハラに認定されたんです。
東京地裁に2023年提訴したのは佐川急便の営業所に勤めていた40代の女性。
同僚の男性からセクハラ被害を受けたとして、およそ550万円の賠償を求めています。
判決によると男性は職場で女性を日常的に「ちゃん」付けで呼び、「かわいい」「下着が見えてしまう」「体形いいよね」などと話しかけていたといいます。
女性はその後うつ病などを発症して退職しました。
東京地裁は10月23日の判決で「ちゃん」付けについて「一般的には幼い子供に対して用いられ、成人に対して使うのは交際相手などの親密な関係にある場合が多く、業務上で用いる必要性は見出しがたい」と、「ちゃん」付けは不快感を与えるものだったと指摘。
そのほかの性的な発言を含めてセクハラにあたると認定し、男性に22万円の賠償を命じました。
街の人は「ちょっと距離が近い」「さん付けはお互いをリスペクトしている」
注目された今回の判決。街の人は「ちゃん」付けについてどのように感じるのでしょうか。
◆大分市中心部
ー女性 20代
(Qもし苗字にちゃん付けで呼ばれたらどうですか)
「ちょっと距離が近い、仕事をする人同士の距離感では無い」
ー女性 20代
(Qこれまで上の人にちゃん付けで呼ばれたことはありますか)
「あります。(その時は?)そんなに違和感無く何も感じなかった」
ー女性 20代
「私もあんまり違和感ないし、ちょっと慕ってくれているのかなと思ってうれしくなる」
ー男性 20代
「セクハラは結局感じ方次第になってしまうと思う。ちゃん付けは(距離感が)近くないかという感想。さん付けが1番ベターだと思う」
ー男性 60代
「(これまで)〇〇さんと言っていた。さん付けで男女関係なく上下関係なく、さん付けで呼ぶというのはお互いをリスペクトしていていいと思う」
男性を“くん付け”で呼ぶのは?専門家「世間一般には認知されている」
今回の判決について、専門家は「ちゃん」付けだけがセクハラとして認められたわけではないとしたうえで、「職場に適した呼称ではない」と指摘します。
◆ハラスメント対策専門家山藤祐子さん
「〇〇ちゃんと呼ぶことで距離を縮めようという気持ちがもしかしたらある。言葉の使い方・相手に対し聞く姿勢で、相手に敬意を示すことが職場で必要」
「ちゃん」付けがセクハラ認定されたという判決ですが、ただ「ちゃん付け」だけがセクハラというわけではなくそのほかの発言も含めて判断されたのでその点は留意が必要です。
では、男性を“くん付け”で呼ぶのはどうなのでしょうか。
専門家によりますと、「男の子を呼ぶ言い方として世間一般には認知されていると思う。ただ、相手の能力を認めているという呼び方ではないと思うので〇〇さんという呼ぶのが一番誰も傷つけない、誰にも違和感のない言い方だと思う」ということです。
街の人の声にもあったようにちゃん付けされると慕われているという気持ちになる人もいます。呼び方は、互いの関係性をしっかりと吟味したうえで決めると良いのではないでしょうか。
 
     
       
         
         
        