過失運転致死傷罪は、注意を怠り人を死傷させた場合に適用され、7年以下の拘禁刑が科されます。

危険運転致死傷罪は、より厳しく、20年以下の拘禁刑が科されます。

適用条件は、飲酒などによる正常な運転が困難な状態での走行など8つの行為です。
今は数値基準がないため、適用のハードルが高く、判決に納得できない遺族も多くいます。

国は今年3月、法改正に向けた議論を始めました。

(弁護士法人きさらぎ 高山桂弁護士)
「危険運転致死傷罪の成立要件である『正常な運転が困難な状態』が極めて抽象的。これを客観的に証明しないと罪として成立しない」

国の法制審議会は、危険運転致死傷罪の見直し案で、飲酒運転でのアルコール濃度やスピード違反の速度超過の幅など具体的な案を示しています。

(弁護士法人きさらぎ 高山桂弁護士)
「数値を客観的に定めるのは、分かりやすいという意味においては、非常に良いことである一方で、客観的な数値を定めてしまうと、それ以下だと危険運転致死傷罪にならないということになってしまう。法律の柔軟さが失われる、そういったところも実は問題意識としてある」

見直しによる社会的な効果は…

(弁護士法人きさらぎ 高山桂弁護士)
「改めて、車というのが一歩間違えれば、人を殺し、重いけがを与える凶器なんだと。安全意識を持っていかなければならない、そういった強いメッセージになる」

事故で妹を亡くした藤本さんは、法改正に向けた動きを評価しながらも、数値基準の幅の設定の仕方は議論を重ねるべきだと訴えます。

(藤本優さん)
「自分が亡くなるまでの運命だろうと思います、背負ったね。自分が亡くなるまでは、やっぱり事故で亡くなった人のことを思ってるんじゃないでしょうかね」

テレビ宮崎
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