SNSで人気のある動画についてお伝えします。
大分県大分市のバス会社が10月SNSに投稿したもので、総再生回数は72万回を超えています。
こうした動画を投稿するねらいなどを取材しました。
◆動画の音声
「この雑巾、運転席からは見えません。ミラーにも映らない。頼れるのは感覚だけ」
動画は地面に置かれた布を目指してバスがやってくるところから始まります。「左の前輪を布の真上でピッタリ止められるか」というチャレンジです。
入社2年目の運転士が挑戦すると…
◆動画 音声
「ブブー!」
通り過ぎてしまいます。
続いて、バスの運転歴20年以上のベテラン運転士は…。
見事に成功しました!
総再生回数が70万回を超えるこのチャンレンジ動画を投稿したのは、路線バスや観光バスを運行する大分市の大分交通です。
◆動画を撮影・編集した大分交通鈴木龍也さん
「コロナ禍で(バスの)需要がかなり減ってきてそれに伴って運転手も減少した。何とかしなきゃいけないと(動画投稿を始めた)」
大分交通のバスの運転士は2018年にはおよそ160人いましたがコロナ禍で3年ほど運転士の新規採用が出来なかったことや定年退職によりこの7年で3割近く減りました。
人手不足が進むなか、バス業界に興味を持ってもらえればと大分交通では2年前からSNSに動画の投稿を始めました。
動画はおよそ280本あり一番再生回数が多いものは72万回に上っています。
冒頭に紹介したチャレンジ動画を運転士歴13年の安部さんに実演してもらいました。
勢いよくバスがスタート。
運転席からは左の前方に地面に置かれた布が見えています。
そのまま前進し布がバスの死角に隠れて見えなくなったところで…安部さんがブレーキ。
果たして…成功したのかどうなのか…?
布の真上にタイヤがピタリと止まっていました。
全長およそ11メートル、幅およそ2.5メートルもあるバスをまるで手足のように扱う驚きの運転技術を見せてくれました。
このほか、置かれたコーンのすれすれを曲がれるか挑戦すると…見事に成功していました。
◆運転士歴13年の安部哲也さん
「車輪の軸の位置とかすべて意識して(運転している)。技術が向上するにつれて優しい余裕をもった運転が出来る。そうするとお客様の乗り心地もよくなってサービス向上に繋がる」
大分交通ではこの2年で県の内外からおよそ30人を採用しましたがそのうち6割がSNSの動画がきっかけだったことです。
大分市在住の山下洋法さんもその一人です。
◆山下洋法さん
「(動画で)人柄がよいというところも感じられたので私はとても参考になった。(運転士は)とても楽しい」
大分交通ではこのほかにもバスの運転を体験するイベントをLINEで随時募集し気軽に申し込めるようにしていて好評だということです。