安倍元総理を銃撃し殺人の罪に問われた山上徹也被告(45)の裁判がきょう=28日午後から始まります。
被告の母親が入信していた旧統一教会による「宗教被害」が刑の重さに影響するかが争点とみられています。
奈良市内ではこの裁判の傍聴を希望し、傍聴券を求める人たちで、長蛇の列ができています。
■安倍元総理を手製銃で殺害した罪など問われる「旧統一教会とつながりあると思った」
山上被告は2022年、奈良市で参議院議員選挙の応援演説をしていた安倍晋三元総理を手製のパイプ銃で撃ち、殺害した罪などに問われています。
捜査関係者などによると、山上被告の母親は旧統一教会の信者で、多額の献金を繰り返し、生活は困窮を極めていたといいます。
山上被告は逮捕後の調べに対し、安倍元総理が旧統一教会の関連団体に送ったビデオメッセージを見て、「教団とつながりがあると思った」と供述し、事件を決意するきっかけとなったとみられています。
■「傍聴抽選券」求める大勢の人が
この事件の裁判員裁判がきょう=28日午後2時から奈良地方裁判所で始まります。
奈良公園の春日野園地では、傍聴を希望する人たちが傍聴席の抽選券を求めて午前8時半過ぎから長蛇の列を作っていました。
■殺人罪は“成立に争いなし” 争点は“刑の重さ”など「宗教被害」の影響は
山上被告が問われている罪のうち、弁護側は安倍元総理の殺害についてなどは認める一方、パイプ銃を製造した罪や銃刀法違反について一部の罪の成立などを争うとみられます。
また山上被告にどのような重さの刑を科すべきかも争点とみられ、弁護側は、旧統一教会による「宗教被害」が事件につながったと主張し、山上被告の母親や宗教学者の証人として呼ぶ方針を明かしています。
裁判は予備日と合わせて19回予定されていて、判決は来年1月21日に言い渡される見込みです。