大阪・関西万博が閉幕してはや2週間。

“万博ロス”という声もある中、一体、いま会場はどうなっているのか。

「newsランナー」は、現在の会場に潜入。

【吉原キャスター】「もうリング上、上ることはできないんですね…」

会場の風景は変わっていく一方で、存在感を増している!?公式キャラクター「ミャクミャク」。

取材して見えてきたのは、大阪府がミャクミャクで狙う“ある戦略”。

一方で、ミャクミャク人気で、居場所を失ってしまったあの“キャラ”が本音をポロリ。

【記者】「(ミャクミャクがもずやんに)首絞められてるみたい…」

閉幕後の万博会場の今、そして、ミャクミャクは万博のレガシーとなるのか?徹底取材しました。

■閉幕後の会場に潜入 景色がガラリと変わった場所とそのままの場所

【吉原キャスター】「大阪関西万博閉幕から2週間。会場内はどうなっているのでしょうか」

吉原キャスターが閉幕後の会場に潜入!

【吉原キャスター】「規制線がはられてます。立ち入り禁止。もうリングの上あがることができないんですね。もうあの景色見ることできないのか」

会場の奥へ入っていくと…。

【吉原キャスター】「ポルトガル館、変わりましたね。垂れ下がった装飾が印象的でしたけど、前は残ってないです」

一方、こんなパビリオンも…。

【吉原キャスター】「シンガポールパビリオンは、作業車みたいなのがまるでなくて、解体作業が進んでる気配が全くありません。こういうパビリオンもあるんですね」

実は、タイプAパビリオンの本格的な解体は11月以降で、来年4月13日までに、更地にして協会に返還することになっています。

では、解体されたパビリオンは一体どうなるのか。

■パソナパビリオンは移設のために丁寧に梱包

【吉原キャスター】「こちらはパソナパビリオンです。中どうなってるんでしょうか」

パソナパビリオンで展示されていた「生命進化の樹」。

【吉原キャスター】「大きな樹の上の部分が切り離されて、いくつかに分けられて撤去作業が行われています」

解体した樹は汚れや傷がつかないように丁寧に梱包されていました。

実はパソナでは、パビリオンの建物を兵庫県の淡路島に移設し、一般公開する予定です。

そして、移設されるのは、パビリオンだけではありません。

■「またどこかで会えるといいな」 ミャクミャク像はまだ会場でポツン

【吉原キャスター】「ミャクミャク像残ってましたね。誰もいない会場でポツンとたたずんでます」

大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」。

【ミャクミャク】「またどこかで会えるといいな」

閉幕日にはこう言い残してお別れとなったミャクミャクですが、このモニュメントは大阪府が2体とも引き取り、来年、万博記念公園に移設する予定。

そして、取材を進めると、このミャクミャクに万博協会と大阪府がかける期待が明らかになってきました。

■ミャクミャク活用して大阪のPR

【大阪府 吉村洋文知事】「ミャクミャクを活用してと言ったら、言い方悪いかもしれないけど、ミャクミャクと一緒に、大阪関西万博のレガシーと、都市魅力の向上が一緒にできたらと思います」

万博協会、そして大阪府が狙うのは、「ミャクミャクを万博のレガシーとして最大限、有効活用すること」。

その人気にあやかり、マネー獲得と大阪のPRを託す狙いなのです。

万博の経済効果を研究する専門家も、こう提言します。

【アジア太平洋研究所 稲田義久研究統括】「2025年の万博のキャラクターだったが、認知されれば“グローバルブランド”となる可能性があるし、積極的に利用すべき。空港に来た時に、関空にミャクミャクがある」

■万博のオフィシャルストアには600人以上の行列 公式グッズは販売期間延長

ミャクミャクは、万博協会や大阪府の狙い通り、万博後も大阪のシンボル、そして“グローバルブランド”になりえるのか。

その可能性を探ろうと先週金曜日、取材班が訪れたのは…。

【記者リポート】「現在、午前8時30分です。まだオープンまで1時間半ありますが、多くの人が並んでいます」

600人以上の行列のお目当ては…この日オープンした万博のオフィシャルストアです。

【来場者】「3時間並びました。万博以上に並んだと思います」

【来場者】「これをずっと、色んなところ探して…。最初は『ん?』と思っていたが、(万博に)行くにつれて愛情が」

公式グッズの売上は8月末までで、およそ800億円。

万博協会は、今後も収入を大きく伸ばす可能性が高いことから、閉幕をもって販売終了とせず、販売期間を来年3月末まで延長したのです。

■大阪のPRに奔走するミャクミャク 会った人は「宝くじに当たった気分」

そして最も人気を集めているのはやはり…

【参加者】「ミャクミャクきたー」
【参加者】「ミャクミャクさんだ」
【参加者】「本物や」
【参加者】「来てくれた!タッチ!」

この日、抽選で選ばれた人限定で行われたミャクミャクとの撮影会では、ファンレターを手渡す人や…感極まって涙を流す人も。

【参加者】「会場2回行ったんですけど、なかなか会えなかったんで。きょうは宝くじに当たった気分」

そして、週末のミャクミャクを追うと…

【ファン?】「おしり!おしり!キャー!」

観客のリクエストに応えて、おしりをフリフリ。

大阪・梅田で行われた音楽フェスに、レインコート姿で登場しました。

さらに…「トリックオア“トットリ”―ト!」

同じ日に鳥取砂丘で行われたハロウィーンイベントにも!

とんでもないスケジュールで、大阪のPRに奔走しているのです。

■大阪府“副知事”もずやん ミャクミャクの存在が脅威に…

しかし!実は大阪の広報を担ってきたキャラクターは、別にいるのをご存じでしょうか。

大阪府の鳥=「モズ」をモチーフにした、公式キャラクター「もずやん」です。

広報担当で吉村知事に次ぐ「副知事」という重責を担っているのですが…記念撮影では端っこに追いやられたり、人がかぶってしまったり、存在感はいまひとつ。

ミャクミャクの存在を脅威に感じているようで…。

【もずやん公式Xより】「今ミャクミャクの人気が絶大らしい…僕も“モズモズ”に改名するか…」「こんなところにもミャクミャク…嫉妬してるわけちゃうで」

と、すっかり意気消沈している様子。

さらに、大阪ヘルスケアパビリオンの閉幕イベントでは、追い打ちをかけるようなこんなやり取りが…。

【松井一郎・元大阪府知事】「もずやん最近ね、ミャクミャクに居場所を奪われております。吉村知事は『ミャクミャクを副知事にしようかな』と」
【大阪府 吉村洋文知事】「どうしようかなと…」
【大阪市 横山英幸市長】「居場所なくなるな…」
【松井一郎・元大阪府知事】「泣くな、もずやん!これからがあるから、泣くんじゃない!」

もずやんが、ま、まさかの副知事“クビ”の危機に!

■もずやん「ミャクミャク大好き」 けなげに意気込みを見せる

いま、ミャクミャクにどんな感情を抱いているのか…。

取材班はもずやんを直撃しました!

【記者】「ぶっちゃけミャクミャクのことどう思ってる?」

記者の言葉にもずやん、フリップを落としてしまいましたが…。

【もずやんのおねえやん】「大好きということです」

もずやんは、おしゃべりできないので、ここからは「おにいやん」と「おねえやん」が代わりに話すよ!

「大好き」というミャクミャクをもずやんに渡してみると…。

【記者】「首しめられてるみたい…」

【もずやんのおねえやん】「『仲の良いお友達やけど、たまにライバル心も燃やすで』と申しております」

【記者】「松井元知事が、『ミャクミャクを副知事に』って言ってたんやけど…大丈夫?」

【もずやんのおにいやん】「こちらが(去年)吉村知事からいただいた感謝状。『この時の気持ちを胸に、これからも副知事頑張るでー』と申しております」

けなげに意気込みを見せるもずやんですが…今後どうなってしまうのか?

■もずやんの人事権持つ吉村知事「副知事から降格があるかも」

“人事権”を持つこの人に聞いてみました。

【大阪府 吉村洋文知事】「もずやんとずっとやって来たので、ここで人事を変えるのは、あまりにも人として間違っているなと。副知事から降格があるかもしれませんが、実績なかったら、部長・課長となっていくかもしれませんが、もずやんは大阪府のマスコットとして頑張ってってもらいたい」

と、“降格”の可能性を示唆されたものの、無事、副知事を続けられることに。

よかったね。もずやん!

一方で、ミャクミャクについては、新たにこんな計画も…。

【大阪府 吉村洋文知事】「“ミャクミャクハウス”みたいなものができればいいかなと思っています。ミャクミャクハウスとモニュメントが、一緒に色んな所に移動することができればいいなと」

今も大人気のミャクミャク。

万博の最大のレガシーは、案外、ミャクミャクだったのかもしれません。

(関西テレビ「newsランナー」2025年10月27日放送)

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