人間の肌は敏感で、わずかな湯温の差でも効果が変わってしまうという。
特に影響を受けるのが自律神経だ。
「42℃〜43℃くらいの“熱めのお湯”に浸かると、“交感神経”に働き、心身が活動モードになります。反対に、38℃〜40℃の“ぬるま湯”では“副交感神経”に働き、心身がリラックスモードになるのです」
普段お風呂に入る時は、自律神経のバランスをとりやすい、約40℃がお勧めだ。
 
ただ「ストレス解消」「安眠」などの期待したい効果が決まっている時は、あえて温度を変えた方がいい場合もある。
ストレス解消は「40℃に10分」
「温浴・水圧・浮力の3つの作用と、こうした温度による影響を組み合わせて、目的ごとに最適な入浴法があるのです」
 
ストレスを解消したい時は、40℃以下のぬるま湯に、できるだけ長く、ゆったりと浸かってほしい。
目安は最低でも10分。副交感神経に働き体と心の緊張状態が緩むという。
 
安眠したい時も温度や浸かる時間は同じ。ただし、お風呂に入るタイミングにちょっとしたコツがある。
安眠したいなら入浴は「寝る1時間半前」
「人間の体はサーカディアンリズム(概日リズム)により、24時間周期で眠気や覚醒、体温などが変動する仕組みをもっています。夜になると体は自然に深部体温(体の内側の温度)を下げ始め、これが眠気を引き起こす一因になります」
「お風呂に入ると一時的に深部体温が上がりますが、これに反応して自律神経が働き、熱を逃がそうとします。この入浴による深部体温の低下が眠気を促すため、入浴後に眠くなるのです。就寝の1時間半くらい前にお風呂に入るのが効果的であることが分かっています」

 
       
         
        