31日午後、APEC首脳会議開催されている韓国・慶州で高市首相と中国の習近平国家主席が初めて対面した。両首脳は国旗を背に約10秒間握手を交わし、硬い表情ながらも最後に笑みを見せた高市首相に対し、習主席は終始無表情を貫いた。
緊張感が漂う中、日中関係の今後を占う注目の会談で何が語られたのか――。
笑顔で見つめ合う写真も?高市首相がAPEC首脳会議へ
31日午後5時過ぎ、日中の両首脳がカメラの前に並び立つ、注目の瞬間が訪れた。

習主席:
こんにちは。こちらへどうぞ。

両国の国旗を前に、10秒ほど握手を交わした高市首相と中国・習近平主席。
高市首相の表情は硬い表情だったが、最後にやや笑みを浮かべた。

対する習主席は表情をほとんど変えなかった。

中国を「重要な隣国」としながらも安全保障上の懸念を示す高市首相と、その高市氏の首相就任に祝電を送らなかった習氏。
首相就任11日目の高市外交が迎えた山場。
日中首脳会談で、何が語られたのか。

韓国・慶州(キョンジュ)で31日午前に行われたAPEC首脳会議。
笑顔で高市首相が現れたその8分後に、中国の習近平国家主席も到着。

会場の中で高市首相が資料に目を通す間、参加国の首脳らと談笑を続ける習主席。

この時、会場内を捉えていた映像には2人が会話を交わす場面は見られなかったが、高市首相のSNSには、習主席とお互い笑顔で見つめ合う写真が投稿されていた。

1週間前の高市首相の所信表明演説では「日中間には、経済安全保障を含む安全保障上の懸念事項が存在することも事実」と述べ、中国への懸念を明言する一方、重要な隣国として両国の利益を追求する「戦略的互恵関係」を目指すとした高市首相。

一方、中国メディアで“女性版安倍”とも報じられる高市首相について、中国・北京の市民からは「日本初の女性首相でしょ?特に印象はないです。トランプ大統領との会談はとても親密だったんじゃない?」「とてもクールで特色のある方だと思います。市民から見ると、日中関係は良くなっていってほしい。平和で何事もなく…隣人でしょ?」「何もいい印象はありません。アメリカの大統領とあんなに親密で…恥ずかしい。(日中関係は)良くなるはずがない」など、さまざまな声が聞かれた。
日中首脳会談…高市首相と習近平主席が初対面
それぞれ、アメリカのトランプ大統領との首脳会談を終えた日中両国が、さまざまな思惑の中で開催に至った首脳会談。
先に待っていたのは習主席。
そこに高市首相が現れた。

握手の時間は10秒ほど。
お互い表情はほとんど変えず、会話らしい会話はなかった。
その後、両者はすぐにテーブルにつき、お互いがあいさつ。

習近平主席:
日中両国は一衣帯水の隣国です。日中関係が建設的に安定的に発展することは、両国や世界が望むことだ。

高市首相:
中国は日本にとって重要な隣国でございます。日中両国が地域と国際社会の平和・繁栄という重要な責任を有しております。日中間には様々な懸案と課題もございますが、それらを減らして理解・協力を増やし、具体的な成果を出していきたい。
「双方に利益となる協力を進めていく」と強調
そして高市首相は、中国の習近平国家主席と初めての首脳会談を終え、取材に応じた。

高市首相:
まず確認したのは、日中間で戦略的互恵関係それから、建設的かつ安定的なこれを構築していくという大方針でございます。私から述べましたのは、やはりこの懸案とか意見の相違があるということは事実。だからこそ私達が直接、率直に対応することが重要だということでございます。例えば尖閣諸島を含む東シナ海のまた、レアアースなどの輸出管理の問題、それから邦人拘束について懸念を伝えました。

また高市首相は、日本産の水産物・牛肉の輸入再開についても、前向きな対応を求めたことを明らかにした。

その上で「懸案があるからこそよく話をする。そして双方に利益となる協力を進めていく」と強調し、「この会談を日中両国が様々な課題に向き合うとともに、協力できることはしっかり協力して取り組んでいく、そういうきっかけとしたい」と述べた。
一方、会談の前、31日午前中に行われたAPEC首脳会議の前に習主席と撮影し、高市首相がXに投稿した写真について言及する一幕もあった。

高市首相はこれについて、「新入りなので、1人ずつ短く挨拶をしてもらったという中で、習主席にご挨拶をさせていただいた」と話した。
高市首相は11月1日、APECの首脳会議閉幕後、日本に帰国する予定だ。
(「イット!」10月31日放送より)

 
       
         
         
        