国際的なダンス競技会で高い評価を受けた2人の若きダンサーがいる。秋田・能代市のバレエスクールに通う高校生と中学生の2人は、幼い頃から踊りに親しみ、体を使って表現することの楽しさに魅了されてきた。「大好きな踊りで多くの人の心を動かしたい」という2人は今、さらなる高みを目指して歩み続けている。
国際大会で評価された“表現力”
8月に東京で開催された「東京なかの国際ダンスコンペティション」。
国内外のアマチュアからプロまでが集い、ジャンルを問わず技術と表現力を競う場で、2人の若きダンサーが見事入賞を果たした。

秋田・能代市のバレエスクールに通う高校2年生・上田真維さん(17)と中学1年生・工藤理瑛さん(13)だ。
幼い頃から週2回のレッスンに励む2人は、クラシックバレエやモダンダンスを通じて、踊りの奥深さを学んできた。
5歳から踊っているという上田さんは「ダンスは、生き物や気持ちなど抽象的なものを体で表現できるのが魅力」と語る。
工藤さんも「できないことを追求して、できたときの達成感が楽しい」と笑顔を見せる。
墨と戦争 題材に込めた思い

大会で上田さんが披露したのは『墨の香り』。韓国舞踊の動きを取り入れ、扇子を使ったダイナミックな演技で観客を魅了した。

一方、工藤さんが選んだ題材は『記憶の空』。戦争によって失われた命のはかなさを、空に向かって叫ぶような踊りで表現した。
2人を長年指導するたなはしあゆこバレエスクールの棚橋絵里奈さんは、「自分に厳しく、作品に意味を持たせようと努力する姿に感動している」と語る。
表現の可能性を広げて
9月には能代市で開かれたイベントで、絵画をテーマにした踊りに挑戦。
2人は「踊りで人の心を動かしたい」と意気込む。
「来年は受験なので踊る機会は減るが、自分の表現を伝えられるダンサーになりたい」と話す上田さん。
工藤さんは「踊り始めて来年で10年。学んだことを生かし、空気を変えるような踊りで、人に感動を与えたい」と力強く語った。
舞台は次へ 音楽祭での共演
2人は11月8日、能代ふれあいプラザ・サンピノで開催される「とっておきの能代ミュージックフェスティバル」に出演予定で、スクールの仲間たちとともに、観客に感動を届けるべく舞台に立つ。
踊りに込めた思いと、表現への飽くなき探求心。秋田・能代の若きダンサーたちは、これからも舞台の上で輝き続ける。
