世界の強豪6カ国が集結する「クライミング最強国決定戦」が日本で開催されます。
日本は世界の強豪が集う頂上決戦を制し、初代「クライミング最強国」に輝けるのか?
そして、なぜこれほどまでに日本で「クライミングブーム」が起きているのかを取材しました。

この記事の画像(13枚)

2003年設立の「B-PUMP荻窪」。
クライミングブームの前から営業し、多くのクライマーたちから“オギパン”の愛称で親しまれるスポーツクライミングの聖地。
オーナーの宮澤さんに話を伺いました。

「B-PUMP荻窪」オーナー・宮澤克明さん:
みんなすごく認知してくれているなという意識はありますね。15年前とかは250とか日本にクライミングジムがあったんですけど、今は500~600ぐらいになっているといわれているので、倍とか倍よりもっと増えている印象ですね。年齢とか性別とか問わず、1人でもできるっていうのも趣味としては結構でかいのかなとは思いますね。

その理由の1つが手軽さ。
必要な道具といえば、クライミングシューズのみ。
こちらのジムでは、わずか220円からレンタルでき、気軽にクライミングを楽しむことができるんです。

人気“火付け役”パリ五輪銀メダリスト・安楽宙斗選手が理由明かす

そして、人気の火付け役となった1人、パリオリンピック銀メダリスト・安楽宙斗(あんらくそらと)選手が、人気の理由を別の側面から教えてくれました。

パリオリンピック銀メダリスト・安楽宙斗選手:
ほとんど海外はカフェとジムは併設していて、そもそもヨーロッパ・アメリカの文化的に
クライミングを楽しむというか、趣味としてやるっていう文化がかなりあるのかなと思いましたね。

世界的に人気を博すクライミング。
たしかに、この日クライミングを楽しむたくさんの外国人の姿が。
こちらは台湾人の張栩(チョウ・ウ)さん。
日本で活躍する囲碁のプロ棋士。実はクライミングにハマった理由にはある共通点があったようなんです。

ーー囲碁とクライミングは似ているところってありますか?
プロ囲碁棋士・張栩さん:

パズル的な部分、囲碁でいうとより詰碁のような、それに関してはエキスパートなんですけど、やっぱり通じるものはあるかなという感じはしますね。
どう攻略するかを考えて実際にやってみて登るまでの過程が僕は魅力だと思います。
どうやって動いて登るべきか、いろいろ考えることです。

小学校にボルダリングウォールが!

世界の人は肉体と思考力を使うクライミングのゲーム性に魅了されているのです。
そして、人気の秘密をひもとく次なる情報を日本クライミング協会 競技委員会副委員長の藤枝隆介さんが教えてくれました。

日本山岳・スポーツクライミング協会 競技委員会 副委員長・藤枝隆介さん:
小学校への広がりは、今すごく増えているのかなとは思います。ある程度の安全も担保されているので、小学校で導入しやすいのかなと感じています。

なんとクライミングが小学校で行える?
その実態について調べるためにやってきたのは、東京・港区の白金小学校。
そこには確かにクライミングができるボルダリングウォールが。

どうしてこの設備が備わっているのか、校長先生にそのきっかけについて直撃しました。

東京・港区白銀小学校・高山直也校長:
校庭の面積も非常に狭いです。体力を高めるためにどうやって工夫していったらいいかと、そういう課題がありました。私の前任の校長が決意しまして、教育委員会にお力をいただいてボードを設置しました。

限られたスペースで体力づくりをするために始まったこの取り組み。
体育の授業のほかに、休み時間にも自由に使用できる環境を作り、どのように登ればよいのかを考える思考力の向上も狙っています。

さらに、クライミングのブームはパラスポーツの世界でも。
実はロスパラリンピックで正式採用されることが決まった世界的注目競技「パラクライミング」。
その発展に向けたビッグイベントが今月ニッポンで開催。それが…

「クライミング グランドファイナルズ」

この大会、「多様性と革新性」をテーマに、日本初となる試みが行われるんです。
それが、クライミングとパラクライミングの同時開催。

日本パラクライミング協会の白井さんは、今大会に大きな可能性を感じています。

日本パラクライミング協会事務局長・白井唯さん:
これをきっかけに一緒に開催されるようになるといいなと思います。

さらに今大会では、2032年ブリスベンオリンピックの正式種目を目指す男女混合の国別対抗戦も初開催。ニッポンが初代王者を目指します。

「障害の有無」、「性別」などにかかわらず、誰もが楽しめるスポーツクライミング。
「多様」で「革新的」なアイデアを生かし、スポーツの未来に向けて歩みを進めています。

この大会の先に安楽選手が思い描く“クライミングの未来”とは?

パリオリンピック銀メダリスト・安楽宙斗選手:
スポーツを盛り上げるにはクライミングをやってない人にたくさん見てほしいので、野球観戦趣味、サッカー観戦趣味って人いるじゃないですか、単純にクライミング観戦が趣味ですって人がたくさん出てくるまでには将来的にはなっていけたらいいなと思いますね。
(「すぽると!」10月18日放送より)

最強国決定戦!クライミング グランドファイナルズ
2025年10月25日(土) 14時30分~16時00分 放送(関東ローカル)

IFSC(国際スポーツクライミング連盟)主催のシーズン最終戦にして初開催となる「IFSCクライミング グランドファイナルズ福岡2025」では、新フォーマットとなる国別対抗戦が行われボルダー&リードが実施。番組ではボルダー決勝を生中継!日本はW杯ボルダーで11年連続1位!まさに優勝候補大本命として初代王者へ!更に、当日から予選が始まるパラクライミングもお届け。健常者とパラクライマーが同じ舞台で競技を行うのは国内初。まさに新たな歴史への第一歩をお楽しみに!

IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025
開催日時:
10月23日(木)~26日(日)
23日(木) 10:30 リード予選 / 14:30 ボルダー予選
24日(金) 10:00 ボルダー敗者復活戦 / 18:00 リード決勝
25日(土) 9:00 パラ予選 / 14:00 ボルダー決勝
26日(日) 9:00 パラ決勝 / 15:00 エキシビション
開催場所:
福岡・飯塚市 筑豊緑地公園 / いいづかスポーツ・リゾート・ザ・リトリート