秋が深まり黄金色の絨毯が広がる尾瀬。山小屋では今シーズン最後の宿泊客を迎え、冬支度が始まっている。豪雪地帯である尾瀬では、建物を守るための「冬囲い」作業が進められ、5月の再開まで静かな眠りにつく。
紅葉進む尾瀬
一面に広がる黄金色の絨毯。花の季節が終わりへと向かうなか、尾瀬では主役の交代とばかりに草紅葉の深みが増していた。

訪れた男性は「紅葉が始まっていて気持ちいい」と話す。尾瀬に何度も通っているという男性は「紅葉もきれいです。だから今年一年通して、こんないい年はないのではないか。私にとって今年は最高の尾瀬」という。
今季最後の宿泊客を迎えた山小屋
思いがけない雨となった10月11日。
尾瀬のほぼ中央部にある第二長蔵小屋は、10月13日までの3連休で営業を終えた。宿泊客は「雨は雨ですごく楽しかった。なかなか雨の中、尾瀬を歩くことないから」と話す。

景色を堪能し疲れた登山者たちにとって、まさにオアシス。あいにくの空模様となったこの日も約40人の宿泊客が訪れ、冷えた体を温かい食事で癒やして尾瀬の静寂の中で眠りについた。
冬支度始まる尾瀬小屋
「青空見えてよかったですね」「お世話になりました。また来ます」
宿泊客と来シーズンの約束を交わし、はじまったのは冬支度。第二長蔵小屋の加藤直さんは「冬囲いを。板はめこめる所あるから、それをはめ込んでいます。雪が入ったらね、夏営業できないので」という。

豪雪地である尾瀬では、冬になると建物全体が埋まるほどの雪が降るため、雪の重みで窓ガラスが割れたり建物がつぶれたりする危険も。
冬囲いで保護し、溜まった汚れを掃除して小屋を閉め、来年5月の再開に備える。

加藤さんは「これで今年の営業終わるな、今年も無事済んでよかったなと。皆さん大きなケガもなく楽しんで帰っていただけたので、うれしい思いで最後の作業進めております。来年も是非お願いしたい」と話した。

尾瀬では11月上旬までに、すべての山小屋が今シーズンの営業を終了し、季節は冬へと向かう。
(福島テレビ)