今年で29回目を迎える「全日本ノービス選手権」が、11月18日から横浜市にあるKOSÉ新横浜スケートセンターで開催される。
9~13歳までの“ノービス”世代日本一を決めるこの大会は、坂本花織、佐藤駿、三浦佳生、島田麻央ら世界で活躍するスケーターのほとんどが「全日本ノービス」の優勝経験者という、まさにトップスケーターへの登竜門となる。
この大会で好成績を残せば、ノービスAの選手たちには全日本ジュニア選手権(11月22日開催)へ推薦出場するチャンスが得られる。憧れの夢舞台を目指す若き戦士たちの熱き戦いでは、これまで数々の歴史が刻まれてきた。
去年全日本ノービス3連覇を達成した金沢純禾は、今季ジュニアデビューとともにJGPシリーズで国際大会で初優勝すると、勢いそのままJGPファイナルへ初進出を果たした。
今年も未来を担う選手たちがしのぎを削る今大会で、どんなドラマが誕生するのか。男女シングルの全日本ノービス注目選手を紹介する。
初優勝を狙うラストノービスの2人
ノービス女子Aは30名がエントリー。
注目は、今季ラストノービスの宮﨑花凜。

去年推薦出場を果たした全日本ジュニアでは、ショートで会心の演技を披露し6位に。フリーで最終グループとなる快挙を遂げ、総合9位と好成績を残した。その宮﨑は、早くもジュニアカテゴリーで存在感を示している。
彼女の武器は、キレのあるジャンプ。現ノービスA女子選手の中で唯一3回転ジャンプ―3回転ジャンプの高難度ジャンプを成功させている。
加えて、氷上以外で培った表現力を活かしたステップやコレオシークエンスも持ち味のひとつ。バレエやヒップホップダンスなど、あらゆるジャンルのダンスレッスンを意欲的に受けフィギュアスケートに活かしているという。

ジャンプと表現力がマッチしたクオリティの高い演技が魅力の宮﨑。今季7月のアクアカップでは、全日本ノービス歴代4位に匹敵する107点超えのビックスコアを叩き出した。
今季のプログラムは『アメリ』。昨季から継続のプログラムで、後半盛り上がり必至のステップを、さらにブラッシュアップしたという。
「ラストだから絶対に成功させたいこともありますが、まずはノービスBの時の1年目からのことを思い出して思いっきり楽しみたい」
最後の全日本ノービス、狙うは初優勝だ。