10月25日から滋賀県で開催される「第24回全国障害者スポーツ大会」の開会式に秋篠宮ご夫妻が出席される。
お代替わり前には天皇皇后両陛下が、令和となって以降は秋篠宮ご夫妻が出席されてきた「全国障害者スポーツ大会」の開会式。

今回は22年前の第3回大会で、静岡県を訪問された天皇皇后両陛下(当時の皇太子ご夫妻)のご様子を取材した平成15(2003)年12月21日放送「皇室ご一家」(第1254回 皇太子ご夫妻 全国障害者スポーツ大会へ ~静岡~)を振り返る。

なお、本記事は当時のナレーションをそのまま記載。天皇皇后両陛下を「皇太子ご夫妻」などと記載する。

静岡・JR浜松駅にご到着

皇太子ご夫妻は、第3回全国障害者スポーツ大会「わかふじ大会」の開会式ご出席のため、11月7日から3日間の日程で静岡県を訪問されました。

平成15(2003)年11月 JR浜松駅に到着された皇太子ご夫妻(静岡・浜松市)
平成15(2003)年11月 JR浜松駅に到着された皇太子ご夫妻(静岡・浜松市)
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7日に浜松駅に到着されたご夫妻は、駅前に詰めかけた大勢の人たちの温かい歓迎を受けられました。

出迎えた人々に話しかけられる雅子さま
出迎えた人々に話しかけられる雅子さま

ご到着後、早速、浜松市内のホテルで開かれた地元静岡県選手団の激励会へ。
大会に参加する静岡県選手団は、総勢およそ500人。

静岡県選手団の激励会に出席された皇太子ご夫妻
静岡県選手団の激励会に出席された皇太子ご夫妻

激励会では、シドニーパラリンピック水泳の金メダリストで、選手団の団長を務める河合純一さんが、大会に臨む決意を表明しました。

挨拶する静岡県選手団代表・河合純一選手
挨拶する静岡県選手団代表・河合純一選手

《選手団代表 あいさつ》
皇太子・同妃殿下のご臨席を賜りまして、我々選手一同、最後の最後まで全力で競技することをここに誓います。平成15年11月7日、静岡県選手団代表、河合純一。

選手代表らにお声がけされる皇太子ご夫妻
選手代表らにお声がけされる皇太子ご夫妻

続いてご夫妻は、主将の稲葉統也(もとなり)さんら選手の代表に「体調はいかがですか」「がんばってくださいね」などと激励の言葉をかけていらっしゃいました。

「第3回全国障害者スポーツ大会」開会式へ

さわやかな秋晴れとなった翌8日。全国障害者スポーツ大会の開会式が、袋井市のエコパスタジアムで行われました。

「第3回全国障害者スポーツ大会」開会式(静岡・袋井市)
「第3回全国障害者スポーツ大会」開会式(静岡・袋井市)

障害者スポーツの国内最大の祭典であるこの大会。今回は「静岡で かなえよう夢 つたえよう感動」のスローガンの下、全国47都道府県と13の政令指定都市から、およそ5500人の選手・役員が参加しました。

開会式に出席された皇太子ご夫妻
開会式に出席された皇太子ご夫妻

大会の華、炬火の入場です。6人の選手によってリレーされてきた炬火が、水泳に出場する河合純一さんの手によって炬火台に灯されました。

炬火台への点火
炬火台への点火

《皇太子さま おことば》
全国障害者スポーツ大会は、国内最大の障害者スポーツの祭典として、今年はここ静岡県で第3回の大会が開かれることとなりました。今年の大会では,すべての人が楽しく参加し観戦できるよう配慮した『ユニバーサルデザイン』の考え方を実践する大会を目指していると伺っています。参加される選手の皆さんには、日ごろの練習で培った力を十分に発揮されることを期待します。また、選手同士の友情をはぐくむと同時に、多くのボランティアの皆さんや地元静岡県民の皆さんとも交流を深め、たくさんの思い出を作ってください。

開会式でおことばを述べられる皇太子さま
開会式でおことばを述べられる皇太子さま

《選手宣誓》
宣誓――私たち選手一同は、「静岡で 叶えよう夢 伝えよう感動」のスローガンの下、全国から集まった多くの仲間たちと友情の輪を広げ、力一杯競技することを誓います。

選手宣誓
選手宣誓

式典に続いて、地元の高校生や小学生、そして養護学校の生徒など およそ2600人が、巨大な富士山をバックに「時空を超えて~地球賛歌」と題した演技を披露しました。

開会式後のパフォーマンス
開会式後のパフォーマンス

大会は10日までの3日間、個人6競技と団体7競技で熱戦が繰り広げられました。

フットベースボール競技をご覧

この日の午後、ご夫妻はエコパスタジアム周辺の会場で行われていた各競技を見て回られました。

フットベースボールの試合 静岡県 VS 兵庫県
フットベースボールの試合 静岡県 VS 兵庫県

ピッチャーが転がしたボールをバットで打つ代わりに足で蹴るフットベースボール。ご夫妻が観戦されたのは、地元静岡県と兵庫県の試合です。

選手たちと懇談される皇太子ご夫妻
選手たちと懇談される皇太子ご夫妻

試合終了後、選手一人一人に「どこを守っているのですか」「今日の調子はどうでしたか」などと優しく話しかけられ、両チームの健闘を讃えていらっしゃいました。

幼少期に夏休みを過ごした町へ

ご日程最終日の11月9日。ご夫妻は、浜名湖の北部に面した細江町(現:浜松市浜名区)をお訪ねになりました。

浜名湖の北部に面した細江町(現:浜松市浜名区)
浜名湖の北部に面した細江町(現:浜松市浜名区)

皇太子さまにとって思い出の場所である細江町。学習院初等科2年生だった昭和42年にお一人で初めて滞在されて以来、その後は、毎年のようにご一家で夏を過ごされました。

昭和44(1969)年 浜名湖で遊泳される皇太子さま
昭和44(1969)年 浜名湖で遊泳される皇太子さま

滞在中は浜名湖で泳いだり、ほたる狩りを楽しまれていた皇太子さま。初等科6年生の時には、地元の小学校6年生の子供たちとソフトボールをされたこともありました。

昭和46(1971)年 地元の小学生とソフトボールの練習をする皇太子さま
昭和46(1971)年 地元の小学生とソフトボールの練習をする皇太子さま

細江町役場で、当時の写真やご自身が身に付けていたユニフォーム、そしてグローブなどを懐かしそうにご覧になった皇太子さま。

かつてのソフトボール仲間と32年ぶりに再会された皇太子さま
かつてのソフトボール仲間と32年ぶりに再会された皇太子さま

この日は、一緒にソフトボールを楽しんだ仲間たちとも32年ぶりに再会し、「ヒットを打ちましたね」などと思い出話に花を咲かされました。

平野社団西気賀保養所へ

続いて、細江町の平野社団西気賀(にしきが)保養所へ。

皇太子さまが幼少期にご家族で滞在されていた平野社団西気賀保養所
皇太子さまが幼少期にご家族で滞在されていた平野社団西気賀保養所

ここは少年時代の皇太子さまが、ご一家で細江町をお訪ねになった際に滞在された施設で、この保養所のある五味半島は、地元で“プリンス岬”とも呼ばれています。

保養所の敷地から浜名湖の景観をご覧になる皇太子ご夫妻
保養所の敷地から浜名湖の景観をご覧になる皇太子ご夫妻

保養所から浜名湖の景観をご覧になったご夫妻。皇太子さまは、ご自身が泳いでいた辺りを眺めながら当時を懐かしく思い出されているご様子でした。

皇太子ご夫妻 朝日のびのび教育賞祝賀会へ

皇太子ご夫妻は、11月22日、東京・中央区の朝日新聞で催された「第5回朝日のびのび教育賞」の祝賀会に出席されました。この賞は特色のある教育活動をしている学校や保護者などの団体を対象にしたものです。

第5回朝日のびのび教育賞の祝賀会
第5回朝日のびのび教育賞の祝賀会

ご夫妻は、受賞した団体の一人一人に優しく話しかけ「がんばってくださいね」と励ましていらっしゃいました。

子供たちと懇談される皇太子ご夫妻
子供たちと懇談される皇太子ご夫妻

ところでこの直後から体調を崩され、その後、帯状疱疹と診断された雅子さまの長期休養が、12月12日、宮内庁から発表されました。

帯状疱疹の治療のため長期休養に入られる雅子さま
帯状疱疹の治療のため長期休養に入られる雅子さま

雅子さまは、体調回復に万全を期すため、年末年始の恒例行事をはじめ、春頃までの公務をすべて休まれることになります。
(「皇室ご一家」第1254回 平成15年12月21日放送)

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