SDGsとの関連でいうと、世界のさまざまな問題の解決のためのものという点では共通。ただしSDGsが“目標”であることに対し、ESGはそれを達成するための“手段”としての意味合いが強いようだ。
「カーボンニュートラル」って何?
「カーボンニュートラル」と「SDGs」の違いも、私たちの身近な存在とは言えず、分かりにくいかもしれない。
日本では、2020年10月に当時の菅首相が所信表明演説で「2050年までにカーボンニュートラルを目指す」と宣言。
「カーボンニュートラルとは温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ことで、環境省の「脱炭素ポータル」ではさらに具体的に説明している。

ここでの「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林・森林管理などによる「吸収量」を差し引き、合計を実質的にゼロにするということだ。
企業などがカーボンニュートラルに取り組むことで、SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成へとつながっていく。
簡単にいうと、SDGsの目標達成の実現のための方法の一つが「カーボンニュートラル」ということだ。

国連が今年7月に発表した「SDGs報告書2025年版」では、「今の変革スピードでは、2030年の達成に不十分」だとしている。期限が迫ってきた中で達成するには、さらに一人一人が意識を高める必要がありそうだ。