「懐かしの映像で振り返る」南予の秋祭り
愛媛の昭和100年シリーズで愛媛県内各地の秋祭りを懐かしの映像とともに振り返る。今回は獅子舞や五ツ鹿踊りで知られる南予地方の伝統行事に、焦点をあててみた。

厄払いと無病息災を願う由良半島の荒獅子
1983年、昭和58年の旧津島町の荒獅子。
由良半島は各地に獅子舞が受け継がれていて、厄払いや無病息災を祈って踊られる。坊主頭に鉢巻き姿の小学生が、力強く打ち鳴らす太鼓のお囃子に合わせ、青年たちがかわるがわる赤い獅子頭を持ち『きつね踊り』と呼ばれる舞いを繰り広げた。

宇和津彦神社の秋祭りー商店街で初の多彩なパレード
こちらは1989年、平成元年の宇和島市宇和津彦神社の秋まつり。
みこしや牛鬼などの山車がアーケード商店街に繰り出し、幕を開ける。お祭り広場に設けられた御旅所では、シラサギの舞を皮切りに獅子舞や八ツ鹿踊り、お槍振りなどを次々と奉納。商店街のパレードや広場での奉納の舞はこの年初めて行われたもので、客は多彩な出し物で賑わう南予の伝統行事に見入っていた。

300年以上の伝統を持つ旧広見町の五ツ鹿踊り
1990年、平成2年の旧広見町清水に伝わる五ツ鹿踊り。
300年以上の伝統をもつ民族芸能。10月中旬から徐々に南下していく南予の秋祭りは、旧広見町が最終盤となる。地域の人たちが見守るなか「廻れ廻れ」で始まるお囃子や、哀愁を帯びた笛のしらべにあわせて、優雅な踊りが披露され終わりゆく秋まつりを楽しんでいた。
