今回の健康のタネは「過敏性腸症候群」、腸にポリープや炎症などがないにも関わらず慢性的に腹痛や便秘などを繰り返すというもので、放置するとリスクも…。詳しい症状や対処法などについて専門医に聞きました。


佐々木拓哉アナウンサー:
「人口の10%あまりの患者がいるとされる過敏性腸症候群。その主な症状とは」

福井大学病院・消化器内科 内藤達志医師:
「腹痛、便の回数の変化、便の性状の変化を主とした病気。この病気は通年いつでも起きるが、ストレスが多い時期には多くなる傾向がある。年齢については40~50代より若い世代がなりやすい。最近は年配にもみられる」
 
過敏性腸症候群は、症状によって4つのタイプに分類されます。まずは便秘型、そして下痢型。混合型は、便秘と下痢が交互に現れます。さらに、分類不能型。どこにも当てはまらないタイプです。


佐々木拓哉アナウンサー:
「一見、軽い症状に思えるかもしれませんが、仕事や学業に支障がでることもあるようです」
 
内藤医師:
「下痢型でお腹の痛みがあり、一日に何度もお手洗いに行くため、日常生活に支障をきたす方も。ひどい方だと、通勤の際のバスの中でお手洗いに行けず通勤が難しい方もいた」
 
受診の目安について、内藤医師は見落としてはならない病気に注意が必要だと強調します。
 
内藤医師:
「3か月以上、腹痛、下痢、便秘が続くようなら、消化器内科の医師に相談を。大腸がんや腸炎を見逃さないことが重要。自己診断せず大腸内視鏡の検査をうけて、がんや腸炎がないことを確認したり、精神科を受診してうつ病ではないことを丁寧に確認する必要がある」


患者の中には、一定数うつ病の人もいるため、その場合は心療内科と連携した治療が必要となります。発症のきっかけについては、悪くなる要因が知られています。
 
内藤医師:
「ストレスで悪くなることが知られている。ストレスや不安を感じるようなことがあると悪くなる可能性がある。ストレスを除外することは難しいので、ほがらかに。あまりため込みすぎないことも大事」
 
佐々木拓哉アナウンサー:
「では、日常生活で気を付けた方がいいことは?」
 
内藤医師:
「食事では、刺激物をさける。香辛料、カフェイン、油ものを避けることで症状がよくなることがある。運動療法もよい。インストラクターについてヨガやエアロビクスなどの運動をすると症状が和らぐとも言われている。気分が良くなると、脳と腸は密接に関係しているので、腸に影響する」
       

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