柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、安全対策向上や財政支援を国に要望するなどUPZ自治体の動きが活発となる中、“地元”の定義について、原発が立地する柏崎市の桜井雅浩市長が明確化を求めています。
【石破首相】
「地元理解を得た上で、再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針」
【武藤容治 経産相】
「政府としては地元の不安や要望をしっかり受け止めて、地元の理解を得られるよう政府を挙げた取り組みが必要と考えている」
この政府が話す“地元”の定義について明確化を求めているのが原発が立地する柏崎市の桜井雅浩市長です。
【柏崎市 桜井雅浩 市長】
「地元の理解・同意・了解という言葉があるが『じゃあ、地元というのはどこなんだ』と。今のままでいくと、新潟県は30市町村あるが、180km離れている自治体も含めて地元というふうになってしまう流れがある」
全市町村が“地元”に。その流れが再稼働をめぐり、花角知事が行った県内の全ての市町村長との懇談会や県民を対象にした意識調査により生まれているのではないか…
【柏崎市 桜井雅浩 市長】
「地元とか原子力発電所の立地地域というのはどういうふうなのかという部分も含めて、改めてお尋ねしたいというところも申し上げた」
実際にUPZ圏内の長岡市の磯田達伸市長も地元であるという認識を会見で口にしています。
【長岡市 磯田達伸 市長】
「各自治体の考え方を県に届けるプロセスは必要。我々の、地元の自治体の意見をしっかり聴取する機会は必要」
そして10月に入り、国・県から柏崎市の桜井市長の問いかけに対し回答が寄せられましたが…
【柏崎市 桜井雅浩 市長】
「国、新潟県からの回答を読めば読むほど情けなくなる」
地元が明確に定義されることはありませんでした。
【柏崎市 桜井雅浩 市長】
「国の姿勢で地元がどこであるのか、あいまいなままで理解を求めている。現状であるならば、現状にあわせて理解したいと思っているが、現状ではこの回答では理解が及ばない」
福島第一原発後、避難計画の策定などが求められる自治体の範囲が拡大。
ただ、地元についての範囲は定義されぬまま、政府が地元の理解を求める状況が続いています。
東京電力の小早川智明社長は16日の県議会で1000億円規模の資金提供や廃炉計画などについて言及する見込みで、地元の理解を得るための取り組みは加速。
しかし、何を持って地元の理解が得られたとするのか、花角知事も県民の信の問い方を明らかにしていないため、再稼働をめぐり様々な思惑が交錯する事態となっています。