59年前、当時の静岡県清水市で4人を殺害したとして死刑判決を受け、その後、無罪となった袴田巖さんが、捜査と裁判で違法行為があったとして国と県に6億円の支払いを求め、裁判を起こしました。

袴田巖さんは1966年、清水市で一家4人を殺害したとして死刑判決を受け、2024年9月、静岡地裁で開かれたやり直しの裁判で無罪が言い渡されました。

高本圭市 記者:
袴田巖さんの再審無罪から1年。袴田さんの弁護団が静岡地裁に入ります

訴状では、47年あまり拘束された間に働いて得られたとされる利益や死刑におびえた精神的な慰謝料、介護費用など、国と県に約6億840万円の支払いを求めています。

弁護団は無罪判決で証拠をねつ造した行為は認定されたが、不当な取り調べや起訴、DNA鑑定の誤認など、警察・検察・裁判所の違法な行為とその責任が明らかにされるべきと強調しました。

袴田国賠弁護団・小川秀世 団長:
捜査機関が次々に違法行為をしてきたが、無罪判決はほとんど受け入れなかった。袴田さんを犯人に仕立て上げた反面、真相や真犯人に結び付く事実や証拠を隠したところが本当に許しがたいところ

袴田さんと闘ってきた姉のひで子さんは。

袴田ひで子さん:
後に続く人がいますので、再審で勝った人もいるし、これから勝たないといけない人もいる。そういう人たちのためにも道筋を付けておかないといけない

今回の提訴について、静岡地方検察庁は「訴状が届いておらずコメントすることはありません」としています。

テレビ静岡
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