福井の魅力を再発見する「小旅」のコーナーでは今回、敦賀半島にある常宮神社を訪ねます。自然に囲まれていて敦賀湾を一望でき、訪れる人への心遣いも感じられる神社です。

◆安産や海の守り神として知られる

敦賀市中心部から海岸を横目に車で走ること15分、海岸沿いに鳥居が見えてきました。常宮神社です。
  
聞こえてきたのは水が流れる音。透き通った水が流れる小川の中をそっとのぞくと、小さな魚が泳いでいます。
   
赤色の灯篭が並んだ通りを歩みを進める、正面の鳥居にたどり着きます。

常宮神社は703年(大宝3年)に創建され、1713年(正徳3年)に建て替えられた本殿は県指定文化財になっています。
  
祭られているのは、神功皇后。この地で腹帯をお付けになり、のちに福岡県で皇子・応神天皇を安産されたことから、古くから安産の神と崇められてきました。
  
地元では「お産のじょうぐうさん」と呼ばれ親しまれています。
  
また、海の守り神としての信仰も集めています。
 
きれいに整えられた境内には、四季折々楽しめる花木が植えられていて、モミジも少しずつ色づき始めています。もう少し季節が進むと、鮮やかな紅葉が楽しめそうです。

◆国宝の朝鮮鐘

境内にある収蔵庫には、国宝に指定された朝鮮鐘が収められています。日本に伝わるものの中で最も古く、敦賀城主の大谷吉継が朝鮮出兵の際に豊臣秀吉の命で持ち帰り、1597年にこの神社に奉納したとされています。(※拝観料500円)


◆宮司からの“お土産”

中門にはかわいらしいお土産が。宮司らが近くの砂浜で拾った貝殻です。その側にはヤマモミジの苗木も置かれています。境内に生えていたもので、お裾分けしているそうです。参拝の思い出になればという、宮司らの温かい心遣いが感じられます。
  
中門を背に来た道を戻ると、鳥居の奥に拝殿があり、その向こうには敦賀湾を望みます。
   
木々や海、自然に囲まれた常宮神社。宮司らの心遣いを感じながらゆったりとした時間を過ごしてみたくなる、そんな場所です。

福井テレビ
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