社内のハラスメント調査委員会が調査したところ、ヨウジさんの言動はパワハラにはあたらないと判断されました。
ヨウジさんは部下からの申告に動揺しましたが、パワハラではないと明言されたことで気を取り直し、改めて誤解をされないように注意しながら職務に取り組んできました。

しかし、通報した社員は調査結果に満足できず、ヨウジさんに反抗的な態度を取り続けてきました。次のような状態が、既に3カ月ほど続いています。
・ヨウジさんが口頭で呼びかけた場合に無視をする。
・チャットやメールなど、ヨウジさんからのテキストでの指示・指導には応えるが、修正したという報告はしない。
・コミュニケーションが成立しないため、調整前提での作業納期を、ヨウジさんが独断で設定していると吹聴する。
・「あの人はやばい。パワハラ体質なんだよ」「サイコパスなんだと思う。人の心がないんじゃない」など、同僚や後輩社員らに話す。
ヨウジさんは精神的に追い込まれ、現在は心療内科に通院しながら業務にあたっています。主治医からは適応障害の診断を受けており、一定期間の休職を希望して、人事担当の役員に相談してきました。
会社は上司の「休職」を認定
担当役員はヨウジさんの状態を聞き、まずは3カ月の休職を認めました。その際、休職中の賃金をどうするかが役員会での争点になりました。
というのも、ヨウジさんは適応障害の原因は部下の反抗的態度にあると考えており、労災での申請を希望したからです。