「身の危険を実感した」住宅地に接近するクマに住民が不安

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富山市で8日朝、クマが田んぼのあぜを走り回る様子を住民がカメラで撮影した。クマの目撃や痕跡の確認が相次ぎ、住民の不安が高まっている。

8日、富山市吉岡地内の住民が自宅の居間から撮影した映像には、田んぼのあぜを走るクマの姿が映し出されていた。撮影した住民は「あそこの墓のあたりから向こうへ逃げていったのではないか」と当時の状況を語る。さらに「実際、クマを目の前にするとクマの速さが、あんなに速いものかと。すごく怖かった」と身近に迫るクマの姿に恐怖を感じたと話している。

複数地点での目撃情報、被害の痕跡も

この目撃があったのは富山市吉岡地区で、8日午前7時半頃のことである。この場所は、先週金曜日にクマの痕跡が確認された上熊野の住宅から約2キロ離れた地点だが、周辺には広い住宅地や会社もある。

すぐ隣りの住宅の敷地内ではクマの足跡やふんの痕跡も発見された。クマ目撃情報を通報した田村雄一朗さんは「これとかあれは明らかにかじられている。明らかに枝が折れている。折れて、食べられている」と被害の状況を説明。「けさ5時すぎに帰ってきたが畑を見に行ったら、その前に大きなフンが落ちているから『あれは何だ?』家の中に入って。怖いなと思い、カキの木を見に行ったら、明らかに痕跡があるな」と話した。

また午前8時20分頃には、約1キロほど離れた石田でも成獣1頭が目撃されたという情報が寄せられ、市が同じクマとみて調査を行ったが、姿は確認できなかった。8日朝はこの他にも、直坂の住宅で別の個体とみられるクマのふんや、柿の木に登った痕跡が見つかったとの通報があった。

住民の警戒と行政の対応

付近の住民、長瀬真由美さんは「クマの登った跡。爪の跡」と痕跡について言及し、「畑とかは怖いので、ラジオの音量を大きくして、後ろからも来る可能性があるので、キョロキョロとしながら、畑仕事をしている」と、警戒しながら日常生活を送っている様子を語った。

これらを受けて富山市は、午後からも市の職員が現地で注意を呼びかけた。

砺波市でもAIカメラがクマを捉える

一方、砺波市でもクマが移動する様子を設置されたAIカメラがとらえた。8日午前6時45分に砺波市庄川町小牧地内で、また7日には頼成や徳万でもクマの出没が確認された。

近くの庄東小学校では屋外での授業を取りやめ、砺波市は緊急メールにより周辺住民に注意を呼びかけている。

富山テレビ
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